業界に関するメディア情報

◆記事一覧◆
(見たい記事をクリックしてください。)

▼最新記事はこちらをクリック



▼過去の記事はこちらをクリック












●2012.12.25更新
・蓄電池(6)高出力・大容量へ研究続く(よくわかる)
・アルプス・グリーンデバイス、体積4分の1電流センサー、電力管理向け重さも9割減
・日東工業、サンテレホン買収へ

●2012.12.18更新
・欧州車、市場縮小で改革、中・東欧で生産、VWやフィアット、収益力を強化
・中国電力のグループ8者が展示会 研究成果を広く発信 12日まで
・EV電池部材、増産凍結――EV国内販売、まだ3万台、関連部品産業に影響

●2012.12.10更新
・マンション、JXエネが一括請負、電力購入最大9割減、「割安」商機広がる
・関電大阪北支店がサービス技能発表会 顧客対応力の向上さらに
・カーシェア事業化、道後温泉、EVで、2人乗り、来夏にも

●2012.12.03更新
・旅館が貸し出し、三菱自、観光地でEV普及、充電器も販売、まずJTBと
・NTTテレコン、家庭のエネ使用「見える化」、電気もガスも機器別に常時

●2012.11.27更新
・関東保安協が出前授業 実験・工作めじろ押し 次世代教育「未来」よ育て
・駐車場にEVスペース、小田急電鉄、充電器設置、計8区画で
・東光電気が都内で製品展示会開幕 次世代網関連技術PR

●2012.11.20更新
・日産が商用EV実証、14年度までの投入めざす
・大京マンション、電気代2割安く、電力を一括購入、ITで無駄なく、既存物件に的
・チェーン店の電力量、NEC「見える化」支援、10〜20%の節電提案

●2012.11.12更新
・電気自動車走りながら充電、国総研、模型の車使いシステム実験
・スマートパワーシステム、災害時に使えるHEMS開発
・香川大など、高齢者向けEV(ダイジェスト)
・スマートハウス、生活データ、節電のカギ――ソニー、積水化

●2012.11.05更新
・日東工業、メガソーラーに参入
・スマートシティ現場発(3)クルマは走る発電所、愛知・豊田、非常時、地域内で融通
・機器別に電力使用状況を把握、イトーキ(新製品)

●2012.10.29更新
・家庭やアウトドアで活躍、電力供給、EVから、日産、三菱自
・リチウムイオン蓄電池、NEC、事業所向け中型機、来春発売、容量、家庭用の9倍

●2012.10.22更新
・自動車業界がV2H普及に本腰
・イトーキ、電力使用をきめ細かく把握できる測定システム
・日の丸EV、はや孤立感――先行日産、負担増の恐れ(NewsEdge)

●2012.10.16更新
・電気自動車向け超電導モーター、住友電工、開発に着手、来春試作品
・東ガス、熱電併給システム、停電時、柔軟に配電、電力計で直前の状況把握
・ネットで自宅使用量を確認・制御 節電システム発売へ エディオン

●2012.10.03更新
・三菱自、170人中途採用、今年度、EV開発加速へ7割増
・分電盤出火、昨年の2.5倍ペース 今年上半期 東京消防庁が注意喚起
・ホンダ、停電時も起動、ガスコージェネ、家庭向け
・トヨタ、小型EV年内に、ハイブリッド、3年で21車種投入、エコカー全方位展開

●2012.09.24更新
・ホンダと東芝が協力、スマートハウス実験、住宅間エネ融通
・積水化、省エネ住宅拡大、分譲販売5割増めざす

●2012.09.18更新
・パナソニック、家庭内の電力、自動制御
・東芝が家庭用蓄電システム発売 HEMS対応タイプも
・省エネ住宅、地域と連携、三井ホームが実証施設、需給に応じ電力融通

●2012.09.10更新
・水俣にメガソーラー建設 河村電器産業工場内 来年2月発電開始=熊本
・電気車充電4000ヵ所、20年メド、日産・住商やJX、広がる連携、普及に弾み
・大成建設ハウジング、既設住宅向け蓄電池、エリーパワー製採用、顧客に節電手法提案
・電機各社、事業体制見直し 価格、急落に備え LED照明、販売拡大も…

●2012.09.03更新
・米テスラ・モーターズ、日本にEVセダン投入、来年上期、チャデモ方式対応
・東電あす値上げ、節電もっと工夫地道に、節電モニター・セミナー人気
・「コードに物載せない」−東電伊豆、3幼稚園で配線診断

●2012.08.27更新
・技術立社特集―この技術に注目、HEMS、最適化、まず家庭から
・未来面―パナソニック会長大坪文雄氏、環境社会へまるごと革新
・サンコーシヤ、雷防護デバイスの劣化状態をパソコンで監視できる装置発売

●2012.08.20更新
・「アンペア下げ」依頼殺到 来月の東電値上げ控え
・トヨタ車体、小型EV1ヵ月で730台
・電力変換装置、25分の1に、安川電機、出力は同じ――EVの需要見込む

●2012.08.06更新
・大ガスの奈良スマート住宅実証 購入電力量を88%削減
・地域の森保全へ一丸 花巻の企業 市、県と協定締結
・家庭でエネルギー管理 HEMS参入 京でも活況 ニチコン 蓄電装置を初出荷 オムロン 電力消費を可視化

●2012.07.30更新
・高速道に急速充電施設、道路各社、20年までに100ヵ所計画、EV普及に弾み、他
・[エネルギーイノベーション]節電を商機に〈4〉日立エネ管理を推進
・デンソー、住宅でEV急速充電

●2012.07.25更新
・オムロン、電力使用量を簡単に把握できる電力ロガー
・充電1回で225キロ走行、ホンダのEV、電力の「燃費」、国内最高
・分水嶺 2012 7・23
・キラリわが社のロングセラー(6)河村電器産業(抜粋)

●2012.07.17更新
・三井不レジ、マンションの防災基準拡充
・ピークシフト効果検証 分散型EMS設備が稼働/日立
・東電、スマートメーター仕様見直し、省エネ機器に追い風――NEC、三菱電
・EVで夜間電力活用しよう 北九州、メーカーが50台無償貸与 /福岡県
・「河村フェローシップ」 海外の大学生が本紙見学

●2012.07.09更新
・[特集]JECA FAIR2012 第60回電設工業展 製品コンクール
・EVからの給電システム、横須賀市、導入に補助金
・データセンターや工場、電力トラブル要因解析、大崎電気、電圧など精査、予測に道

●2012.07.02更新
・(波聞風問)韓国企業 「賢く働く」新たな経営理念 安井孝之
・知りたい!:走る電源、進化するEV 三菱自・日産開発、ためた電力を家庭に供給 住宅で実証実験、停電しても1週間自給
・人事 テンパール工業(25日)



●2012.12.25更新
蓄電池(6)高出力・大容量へ研究続く(よくわかる)
日経産業新聞 12月25日

 現在の電気自動車(EV)に採用されているリチウムイオン電池は、フル充電での航続距離が200キロメートル前後とガソリン車(燃料満タンでおおむね500〜600キロメートル)に比べ半分以下にとどまる。EVの航続距離をガソリン車並みに引き上げようと、自動車メーカーを中心に新たな素材を使った電池の開発が進んでいる。
 高出力かつ大容量蓄電池の有力な候補となるのが、全固体電池や金属空気電池だ。
 全固体電池は、リチウムイオン電池では液体を使っている電解質に固体を使う。電解液を封入するケースが不要となるうえ、電極を直接重ねることで電池を小型化でき、同じ体積でも大容量が可能になる。
 電池の容量を示すエネルギー密度は1キログラムあたり400〜800ワット時とリチウムイオン電池の2倍以上が見込める。EVの航続距離も同程度延びるもようだ。
 さらに大容量を期待できるのが金属空気電池。空気中の酸素が電子を取り込む性質を利用し、負極側の電極にはリチウムやアルミニウム、マグネシウムを使い、正極で取り込んだ酸素と反応させる。リチウムイオン電池の3倍以上の容量が期待できるという。
 トヨタ自動車は車載用電池として、2020年代半ばに全固体電池を、30年代に金属空気電池をそれぞれ実用化したい考えで研究開発を続けている。大容量高出力の電池は自動車用だけでなく、スマートグリッド(次世代送電網)向けでも利用が見込まれている。
 蓄電池の普及促進に向け、大容量化とともに重要な課題が、導入コストの低減だ。主流のリチウムイオン電池のコストは1キロワット時あたり20万円と、経済産業省が掲げる目標「揚水発電並み(同2万3000円)」とは程遠い。次世代型はさらに高くなることが予想される。
 量産による製造コストの引き下げのほか、コストダウン策として注目されるのがリサイクル。トヨタや日産自動車はEVで使えなくなった電池をそのまま家庭向けの蓄電池に使ったり、分解して材料として再利用したりする事業に乗り出す。希少金属の有効活用にもつながり、技術開発の進展が期待される。

アルプス・グリーンデバイス、体積4分の1電流センサー、電力管理向け重さも9割減
日経産業新聞 12月20日

HDD技術応用
 アルプス電気の子会社のアルプス・グリーンデバイス(GD、東京・大田、島岡基博社長)は電力の管理に使う小型の電流センサーを開発した。磁気ヘッドなどに使う技術を応用することで構造を簡単にし、体積は競合品の約4分の1以下に抑えられる。HEMS(住宅エネルギー管理システム)などでの利用を見込み、来春から順次出荷を始める。
 電流の測定では電線から発せられる磁気を測る。アルプスGDはハードディスク駆動装置(HDD)の磁気ヘッドに使う「GMR(巨大磁気抵抗)」素子を採用した。
 一般的な電流センサーに使う「ホール素子」は電線の周囲を磁性体で囲む必要があるが、GMRではこの必要がなくなり、U字形に開けた溝に電線を挟んで測定する。体積を4分の1〜5分の1、重さを10分の1に抑えられる。価格はホール素子を使う競合品と同等になるもよう。2015年度に50億円の売り上げを目指す。
 住宅内の利用電力監視を行うHEMS向けと、産業用蓄電システム向けの出荷をそれぞれ始める。HEMS向けは家庭の分電盤の内部に取り付けて電力を監視する。大きさは他社の従来品の約4分の1から5分の1。最大80アンペアまで測れる品種をまず出荷し、より小型の20アンペア品を13年秋までに加える。
 蓄電システム向けは数十ミリアンペアから定格いっぱいの300アンペアまで、1%未満の誤差で電流を測定できる。150アンペア品と300アンペア品を用意し、産業用途の蓄電システムでの利用を見込む。
 アルプスGDは産業革新機構の出資を受けている。GMR素子の技術は、親会社のアルプスがかつて手掛け、07年に撤退したHDD用磁気ヘッドの技術を基にしている。電力管理以外の幅広い用途への応用を検討する。
▼GMR素子 GMRとは巨大磁気抵抗(ジャイアント・マグネット・レジスティブ)効果の略。磁気抵抗効果とは磁力で物質の電気抵抗が変化する現象。素子はこの現象を利用して、素子を流れる電気の変化をもとに磁力の強弱を検出する。
 磁性を持つ薄膜を多層構造にして、磁力に対してより大きな電気の変化が起こるようにしたのがGMR素子。ハードディスク駆動装置(HDD)の磁気ヘッドに一般に使う。

日東工業、サンテレホン買収へ
日刊工業新聞 12月19日

 【名古屋】日東工業は18日、通信機器商社のサンテレホン(東京都中央区)を買収すると発表した。2013年1月21日付で、同社に100%出資している特別目的会社の全株式を取得する。取得金額は86億7300万円。買収により、システムラックなど情報通信機器の新製品開発に生かす狙いがある。
 サンテレホンは通信機器の販売で国内シェア約3割。11年12月期の連結売上高は約216億円。日東工業のラックにケーブルを付けて販売するなど以前から取引関係があった。同社はサンテレホン買収で「商社の提案力を生かした高付加価値の商品開発を進める」(岡田雅博取締役)という。
 サンテレホン株をめぐっては06年、米系投資会社のダルトン・インベストメンツによる株式大量取得の事案があり、国内外ファンド連合が友好的なTOB(株式公開買い付け)を実施して上場廃止した経緯がある。今回の買収は「金融機関から話があった」(同)といい、株式の売却先を探す金融機関と情報通信事業の拡大を目指す日東工業の考えが一致したとみられる。

●2012.12.18更新
欧州車、市場縮小で改革、中・東欧で生産、VWやフィアット、収益力を強化
日本経済新聞 12月18日 朝刊

【フランクフルト】債務危機を背景に自動車販売が低迷する欧州で、生産コスト削減や低価格車投入など、自動車各社が対応を一段と強化している。独フォルクスワーゲン(VW)やイタリアのフィアットは人件費の安い中・東欧で新車生産を強化。低価格の電気自動車(EV)開発や割安な旧型車の生産再開で、販売をテコ入れする。足元の欧州新車市場は5年前に比べ年300万台も縮小。頼みの新興市場にも陰りが見える中、体質改善で業績悪化を食い止めたい考え。
 VWはスロバキアの首都ブラチスラバ郊外の工場に、生産効率化のため2016年までに計15億ユーロ(約1600億円)を投じる。同工場はVWの戦略小型車「アップ」や多目的スポーツ車(SUV)の主力拠点。スロバキアの人件費は、独西部の6分の1。最新の生産技術を使ってさらにコストを引き下げる。
 SUV向けには14年末までに約7億ユーロを投じ、省エネ・省人化技術を取り入れた車体生産ラインを新設。生産・開発コストの2割削減というグループ全体のコスト削減目標の達成につなげるとともに、稼ぎ頭のSUVの収益力を一段と高める。
 来年後半には、同工場でアップをベースとした低価格の小型EVの生産も始める。価格は「量販車並みに抑える」(VWのマルティン・ヴィンターコーン社長)考えで、低公害車の需要を取り込む。
 VWなど欧州自動車大手はこれまで、新興国市場での事業基盤の拡大によって欧州事業の不振を乗り越えようとしてきた。しかし頼みの綱の新興国でも景気の減速懸念が強まり、新車販売の大半を依存する欧州でのコスト改革を先送りできない状況になりつつある。
 フィアットは、人件費がイタリアの5分の1というセルビア工場の活用を本格化する。来年から小型車「プント」のひと世代前のモデルの生産を再開する方針だ。
 同工場では今春、新型小型車「500L」の生産開始に合わせて旧型プントの生産を中止。しかし500Lは価格が2万ユーロ前後と小型車にしてはやや高め。雇用悪化で所得が伸び悩む欧州でも低価格車の需要が伸びると判断。旧型プントの価格を5600〜8000ユーロに設定し、韓国の起亜自動車などに対抗する。
 仏ルノーは、スペイン工場で新型車向けの車台や変速機などの部品生産を決めた。同社は追加投資の条件として、労働組合にコスト抑制策の受け入れを提示。撤退も示唆しながら交渉し、労組側から毎年の賃上げ幅をインフレ率の半分程度に抑えるほか、繁忙期の労働時間延長など柔軟な勤務体系への協力を引き出した。
 同社は本国フランスでも同様の労働条件の見直し交渉を進める。スペインでの成果をテコに、仏工場でも労組との合意につなげ、高止まりする欧州拠点の生産コストを引き下げていく考えだ。

中国電力のグループ8者が展示会 研究成果を広く発信 12日まで
電気新聞 12月12日

 中国電力は11、12の両日、広島市中区の本社1階ロビーで「中国電力グループ研究開発成果展示会2012」を開催している。中国電力グループが培ってきた研究成果、ノウハウを広く活用してもらうのが目的。今回が5回目となる。中国電力のエネルギア総合研究所(平野正樹上席執行役員・所長)とグループ6社、中国電気保安協会(藤井浩理事長)が出展。再生可能エネルギー普及拡大に向けた最新技術を発信している。入場は無料で、きょう12日の午後5時まで。
 11日のオープニングセレモニーでは、平野所長があいさつ。「研究成果をグループ内にとどまらず幅広く発信することで、地域や異業種の発展に貢献していきたい。また、東日本大震災で被災した企業に知見を提供することで、東北の復興に協力できればよい」と話した。
 展示のテーマは「地域に必要とされる研究・開発を目指して」。エネルギア総合研究所では、カンボジアや日本国内でのジャトロファ油の発電実証、屋上緑化システム、高精度位置・方位検知システムなど、幅広い分野の研究・開発成果を展示している。グループ企業からは、中電工業、エネルギア・エコ・マテリア、中電技術コンサルタント、テンパール工業、中電工、イームル工業が出展。このうち、イームル工業は初出展となる。各社では、再生可能エネルギーの活用や省エネに寄与する製品などを紹介している。

EV電池部材、増産凍結――EV国内販売、まだ3万台、関連部品産業に影響
日本経済新聞 12月11日 朝刊

 リチウムイオン電池は電気自動車(EV)用部品としての需要の拡大が期待される。ただ肝心のEVの普及ペースがなかなか上がってこない。2010年に「リーフ」を発売するなどEV分野で先行してきた日産自動車は、16年度までに提携先の仏ルノーとの合計で、世界で約150万台のEV販売を目指す。だが10月末までの世界販売は約4万3000台だ。
 補助金制度の充実などで世界で最もEVが普及する日本だが、日産や三菱自動車などEVの国内累計販売台数は約3万台とみられる。割高な価格や1回当たりの充電で走行可能な距離が短いこと、急速充電インフラ整備の遅れなどが普及のハードルになっている。ハイブリッド車(HV)や小排気量の低燃費ガソリン車など強力なライバルの存在も大きい。
 EV普及ペースの遅れは関連部品産業にも影響している。三菱自動車向けなどにEV用電池を手掛けるジーエス・ユアサコーポレーションは電池工場の操業が想定を大幅に下回る状況が続く。日産も11年に着工したポルトガルの車載電池工場の建設を中断している。
 今年1月には車載電池大手の米エナール・ワンが中国企業との競争激化などから経営破綻。10月にはオバマ政権から多額の資金助成を受けていた米A123システムズも米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。

●2012.12.10更新
マンション、JXエネが一括請負、電力購入最大9割減、「割安」商機広がる
日本経済新聞 12月9日 朝刊

 石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは2014年度にも集合住宅向けに電力自給率を大幅に高める電力システムの請負事業を始める。ガスで発電する燃料電池と太陽光発電装置を提供。マンション1棟が外部から購入する電力量を最大9割減らす。残る電力も東京電力など大手より安く提供して各戸のエネルギーコストを減らす。新たな電力サービスとして注目を集めそうだ。
原子力発電所の再稼働が不透明ななか、電力大手が家庭用電力料金の引き上げに動いている。NTTグループや大京などは集合住宅向けに割安な電力供給を打ち出しており、商機が広がってきた。JXエネはできるだけ電力を自給する事業モデルで特色を出す。
JXエネは電力の自給システムと、割安な大口向け電力供給を組み合わせて提供する。電力の自給システムは燃料電池、太陽光発電装置、蓄電池で構成。保守なども一括して請け負う見通し。
マンション側は足りない電力を外部から購入する必要があるが、JXエネが高圧契約の電力を販売する新電力(特定規模電気事業者)として供給。大手電力会社より5〜10%安い料金帯で各戸に割り振る。発電所は子会社の川崎天然ガス発電(川崎市、出力84・7万キロワット)を使う。
JXエネは横浜市と川崎市の社宅で実証実験を開始。太陽光発電装置、燃料電池、蓄電池を併用する横浜の社宅では必要な電力の8〜9割を賄えることが分かった。
燃料電池に使う都市ガスなどの料金も含め、電力をすべて外部購入するより、全体のエネルギーコストは下がる見通し。
また、JXエネは発電効率を大幅に高めた家庭用燃料電池を開発済み。価格は200万円以上するが、15年までに50万円程度に減らす技術開発も進めている。補助金なども活用して自給システムの初期費用を軽減、投資コストの回収期間を短くする。
分譲マンションの新規供給戸数は年間8万戸にのぼる。付加価値を高めたい不動産会社などの需要を開拓、燃料電池の販売拡大にもつなげる。
契約電力が50キロワットを超える大口向けの割安な高圧電力を集合住宅向けに一括供給し、各戸に小分けして柔軟な料金設定をするサービスが増加。最近ではケーブルテレビ最大手のジュピターテレコムも参入を決めた。政府が電力小売りの全面自由化方針を掲げるなか、JXエネは将来の電力事業拡大に向けサービスモデルを確立する。
原発事故後、火力燃料費の負担が増えた電力大手は料金を引き上げている。家庭向けでは東電が9月に平均8・46%値上げしたのに続き、関西電力と九州電力が来年4月の実施に向け政府に値上げを申請した。四国電力や東北電力も来年度早期に値上げする方針だ。

関電大阪北支店がサービス技能発表会 顧客対応力の向上さらに
電気新聞 12月5日

 関西電力大阪北支店(岡田雅彦執行役員・支店長)はこのほど、大阪府茨木市の同社能力開発センターで「リビング営業部門サービス技能発表会」を開催した。屋内において分電盤の検査や漏電調査などを行うサービス担務部門の社員を対象とした発表会で、日常業務における安全意識の高揚、顧客対応力の向上などが狙い。発表会は今年で3回目を迎え、当日は同支店内の6営業所から1人ずつ代表選手が出場。支店、各営業所の幹部が見守る中、日頃培った技を披露した。
冒頭あいさつした岡田支店長は「お客さまの信頼を得る原点の業務であり、信頼回復に向け引き続き頑張ってほしい」と述べた上で、「発表会では日常業務で磨いてきた技能を存分に発揮してほしい」と激励した。
発表会は「お客さま申し出による当社設備およびお客さま宅不具合個所改修作業」をテーマとし、顧客から申し出を受けた選手が、現場出動前に保護具や工具を点検するところからスタートした。
選手たちは会場に設営された作業区内で、顧客役の担当者から不具合個所や現状を聞き取りつつ、分電盤の点検など、屋内設備の確認を実施。各所の営業所長のほか、上司、同僚も応援に駆け付けた中、慎重かつ迅速に作業を進めた。
安全作業、停電時間、仕上がりなどが審査された結果、最優秀営業所に選ばれたのは、扇町営業所(近藤真幸選手)。優秀営業所には枚方営業所(大井浩孝選手)、北摂営業所(寺地和也選手)が選ばれ、それぞれ岡田支店長からトロフィーと賞状を受け取った。

カーシェア事業化、道後温泉、EVで、2人乗り、来夏にも
日経産業新聞 12月4日

 【松山】道後温泉(松山市)の旅館などが共同で、来年から観光客向けに電気自動車(EV)のカーシェアリング事業に乗り出す方針を固めた。松山市がEVなどを貸し出す社会実験を同温泉で始めており、事業化により道後温泉の魅力を高める。来夏にも2人乗り超小型EVによるシェアリング事業をEVメーカーのコボット(福岡県宗像市)と組んで始める見通しだ。
11月30日に始まった社会実験は伊予鉄道の道後温泉駅前に「モビリティセンター」を設置し、観光客を対象にコボットの1人乗り超小型EV「KOBOT」、普通車EVの「日産リーフ」、電動アシスト自転車の3種類を低料金で貸し出す。
松山市がJTB中国四国(広島市)が事業主体となったコンソーシアム(事業共同体)に委託して実施している。事前に電話などで会員登録した上でモビリティセンターでICカードを受け取り、キーボックスにICカードをかざしてカギを取りKOBOTなどを運転する仕組みだ。
実験は来年1月28日までの予定。道後温泉の旅館などは「坂の多い道後ではまち歩きの補完役となる」(宮崎光彦・道後温泉旅館協同組合副理事長)として実験終了後にもシェアリング事業を継続したい意向が強い。旅館組合が参加した新たなコンソーシアムを組む形などで事業化する方針だ。

●2012.12.03更新
旅館が貸し出し、三菱自、観光地でEV普及、充電器も販売、まずJTBと
日経産業新聞 12月3日

 三菱自動車は自社電気自動車(EV)の国内観光地での普及を促進する。JTBや地方自治体と組み、旅館など宿泊施設にEV「アイ・ミーブ」や充電インフラを売り込む。宿泊施設側は観光客にEVをレンタルし、旅行商品の目玉に位置づける。三菱自はディーラーを通じた一般消費者向け販売が苦戦していることから、他の分野の開拓を急ぐ。
まずJTBと共同で、栃木県那須町の「那須温泉」の4つの旅館・ホテルにこのほどEVを納入した。旅館側は近辺の9カ所に充電器を設置。電車で来た宿泊客が観光地を巡るのにEVを使ってもらう。観光施設向けの営業に強いJTBと組むことで販売先を広げる。
神奈川県箱根町では地元自治体の協力を得て、旅館やホテルがアイ・ミーブや急速充電器を導入するほか、EVレンタカー料金をセットにした旅行商品の開発などを進める。今後、関東甲信越地方を中心に他の温泉街にもEV普及の提携先を増やす計画だ。
一方、都市部に比べガソリン価格が高く、フル充電で走れる距離が短くても影響の小さい離島は、特にEVが活躍するチャンスが大きいとみて、積極的に普及を進める。
沖縄県宮古島市とは協定を締結し商用EV「ミニキャブ・ミーブ」を納入、年内に充電器4台を整備する。長崎県五島列島ではEV100台を納入し観光客にレンタカーとして利用してもらう。
三菱自の4〜9月のEV販売は約1900台。前年同期の2・5倍に達したが新車販売全体に占める割合は1割未満にとどまっている。旅行会社や自治体と連携を深めて観光地での需要開拓を進めていくことで、EV拡大を加速させたい考え。
▼電気自動車(EV)の走行可能距離 三菱自動車の「アイ・ミーブ」はフル充電で最大180キロメートルの走行が可能(理論値)。同社の調べでは90%の利用者が1日平均40キロメートル以下しか走行していないという。維持コストはガソリン車に比べて3分の1から10分の1とされる。

NTTテレコン、家庭のエネ使用「見える化」、電気もガスも機器別に常時
日経産業新聞 11月28日

 NTT東日本の情報通信システム子会社、NTTテレコン(東京・台東、立花研司社長)はガスや電力など家庭のエネルギー使用量を一括して測定できるシステムを開発した。機器ごとに使用状況を把握できるのが特長で、例えばガスヒーターとエアコンを比較して省エネや光熱費の節約がしやすくなる。このほど長野県で実証実験を開始し、2014年度の実用化を目指す。
これまで電力、ガス各社は個別に検針し、それぞれ遠隔監視サービスなどを手掛けてきた。電力とガスの双方を対象とするシステムもあるが、総量を把握するだけで、個々の機器ごとの使用量を測定できるものはなかったという。
新システムはガスメーターと分電盤の電力センサーに通信装置を取り付け、機器ごとの使用データを中継装置となる無線機器に送信。この装置から光回線や携帯電話回線を通じ、1時間ごとのデータをインターネット経由でNTTテレコンの集中監視センターに送る。まずガス器具の個別データを対象とし、将来は電気製品の個別データや水道の使用量も把握できるようにする考え。
集められたデータはグラフなどで「見える化」して消費者向けの専用タブレット端末に無線送信。使用量や料金、二酸化炭素(CO2)排出量などが把握できる。データはガスの料金回収の検針値として利用するほか、機器の異常を監視する保守点検にも活用する。
通信規格は非営利組織(NPO)法人のテレメータリング推進協議会(東京・港)が昨春に決めた仕様に準拠。同協議会はガス販売会社や電機メーカー、通信会社などからなる団体で、液化石油ガス(LPG)と都市ガス、水道の規格を統一して標準化している。
電気製品については経済産業省が推奨する標準通信規格「エコーネット・ライト」への対応を検討する。同規格は複数の家電をネットワーク管理するために官民で策定。メーカーの枠にとらわれず個別の家電の電力消費状況を把握したり、機能を制御したりできる。
新システムを使い、ガスと電気を「見える化」する実証実験を10月末から長野県で始めた。LPG会社の北信ガス(同県中野市)と組み、集合住宅に住む5世帯を対象に実施。各世帯にガスファンヒーターを設置し、エアコンとエネルギー使用量を比較して省エネ効果も検証する。
NTTテレコンはNTT東日本子会社で、ライフラインの自動検針などを手掛ける。LPGの遠隔監視サービスが主力で、全国約2500万といわれるLPG世帯のうち、約300万世帯を顧客に持つ。東日本大震災後の省エネ機運の高まりを受け、電力を含む「見える化」を進める。

●2012.11.27更新
関東保安協が出前授業 実験・工作めじろ押し 次世代教育「未来」よ育て
電気新聞 11月27日

 関東電気保安協会(中村秋夫理事長)は次世代教育に力を入れている。文部科学省の学習指導要領に沿ったカリキュラムと教材を独自にそろえ、小中高の各校で出前授業を実施。学校にはない実験装置や測定器などを使った授業が特に好評で、2011年度は小中高合わせて213クラスで開き、6千人を超える児童・生徒が授業を受けた。今年度はさらにその実績を上回る見込みで、上期の実施回数は既に118クラスに上る。出前授業を主導する同協会企画本部広報部は「これからも内容を充実させ、規模を拡大していきたい」と意気込みを語る。

◆電気科離れに歯止めを
同協会の出前授業は「未来を育てる」をテーマに、11年1月、本格的にスタートした。小中学生の理科離れ、高校生の電気科離れに歯止めをかけるのが狙いだ。
これまでも「電気安全講習会」の位置づけで、職員が各校に出向く次世代教育に取り組んできたが、出前授業は学習指導要領に準拠しているため、正式な授業扱いになる。実施回数も電気安全講習会の年間100クラス程度に比べ、倍増させた形だ。
教育委員会や、自治体などに配る3種類の出前授業の案内書をはじめ、文科省選定のDVD教材「実験!電気の不思議なしくみPart2」や、科学工作の解説書「クリップモーター編」「電池編」「エジソン電球編」を1年かけて制作した。
また小中学生向けの実験器具は、これまで親子実験教室などで使っていたものを関東一円に分散する各事業本部から集め、えりすぐりを水平展開。同協会広報部は「各事業本部が過去から積み上げてきた次世代教育の下地があったからこそ、出前授業は実現した」と説明する。
授業の大まかな流れは、小中学校の場合、まずDVDで電気の働きや危険について説明し、実験でショートや発火などを再現してみせ、最後に実習としてクリップモーター作りなどの科学工作を行う。講師役となる職員は3人一組が基本で、所要時間は講義・実習合わせて2時間程度。
工業高校の授業は「絶縁耐力試験及び高圧絶縁抵抗測定」「保護継電器(過電流継電器)特性試験」「低圧絶縁抵抗測定」など5種類の実習からの選択制となる。絶縁不良個所を任意に設定できる訓練用の分電盤などを使った実践的な授業が中心となるため、見学を希望する教師も多い。
また、講師役を務める職員は、対象校の出身者が充てられるケースも多く、思い入れの強い母校の生徒に電気の大切さや危険性、職務への誇りを熱っぽく伝えるひとこまも見られるという。
低圧絶縁抵抗測定を行う生徒たち。学校にはない専門の装置を使った授業の人気が高い。

 

駐車場にEVスペース、小田急電鉄、充電器設置、計8区画で
日経産業新聞 11月27日

 小田急電鉄は自社沿線で運営する小田急月決め駐車場に充電器を設置した「電気自動車(EV)専用駐車スペース」を開設した。成城学園前(東京・世田谷)、鶴川(東京都町田市)の両駅近くにある駐車場にそれぞれ4台分を確保し、合計8区画でスタートした。
同社が運営する月決め駐車場にEV用充電器を設置するのは初めて。来年には川崎市の新百合ケ丘駅近くの駐車場に設置を予定しており、今後も利用状況などを踏まえて導入を拡大する計画だ。
小田急は最近、沿線住民の生活をサポートする新たな施策を各駅周辺で相次ぎ打ち出している。
来年3月にはともに世田谷区にある梅ケ丘、千歳船橋の両駅の高架下に学童保育施設「小田急こどもみらいクラブ supported by ピグマキッズ」をそれぞれ新設する予定だ。
また、狛江市の和泉多摩川駅付近の高架下には今年8月にアウトドアフィットネスクラブ「BLUE多摩川」をオープンし、地域住民などから人気を集めている。

東光電気が都内で製品展示会開幕 次世代網関連技術PR
電気新聞 11月22日

 東光電気は21日、東京・有楽町の東京交通会館で「2012製品展示会」を開幕した。今回はテーマを「見て、触れて、実感」と設定。なじみ深くなっている「スマートグリッド(次世代送配電網)」について、具体的に同社製品で何ができるかを実感してもらう展示構成とした。電気事業関係やメーカーなど数多くの関係者が訪れ、商談も交わされた。きょう22日午後5時半まで延べ3千人の来場を見込む。
会場は「送変電・配電」と、ビル、工場、コミュニティー、住宅の4分野のEMS(エネルギー・マネジメント・システム)のゾーンに分けて、同社の製品サービスを展示した。このうち「送変電・配電」については、再生可能エネルギー導入拡大に対応するオートタップチェンジャー付き柱上変圧器や、センサー内蔵開閉器などを展示した。
EMSについては、今年新型を投入した超小型ゲートウエー端末「STiNC」を至るところで活用可能なことを示す展示としている。例えば同社が参画する北九州スマートコミュニティー実証で各戸のデータ集約に活用されていることや、淡路島で行ったEV充電負荷平準化実証などの成果を紹介。住宅については将来的に簡易版を分電盤に埋め込み、スマートメーター(次世代電力量計)や家電と連携するイメージを提案している。
会場で高津浩明社長は、エネルギー利用最適化技術へ「関心の一層の高まりを感じる」と話し、今後の商機拡大への手応えを示した。22日には提携する大塚商会関係者が「スマートコンセント」による節電について講演。北米でのデマンドレスポンスをテーマとするセミナーも開く。

●2012.11.20更新
日産が商用EV実証、14年度までの投入めざす
日経産業新聞 11月19日

 日産自動車はコカ・コーラセントラルジャパン(横浜市、マイケル・クームス社長)に電気商用車「e-NV200」のテストカー1台を貸与し、実証実験を始める。営業車として活用し、実用性や経済性、環境性能などをガソリン車と比較し、電気商用車の業務用途の可能性を探る。
 今回の実証実験では、特に夜間電力による充電で電力ピーク時の消費電力量削減を狙い、商業利用の可能性を幅広く検証する。
 これまでに日本ではイオンリテールやフェデラルエクスプレスと電気商用車を使った実証実験を進め、海外でもブリティッシュガスなどと実験済み。「e-NV200」は「リーフ」に続く2車種目の量産EVとして、2014年度までに市場投入を計画している。実証実験で収集したデータを今後の開発に反映させる。

大京マンション、電気代2割安く、電力を一括購入、ITで無駄なく、既存物件に的
日本経済新聞 11月17日 朝刊

 大京は割安な電力の調達とIT(情報技術)で節電する技術を組み合わせ、既存のマンションに住む家庭の電気代を2割程度安く抑えるサービスを2014年度にも始める。東京電力の値上げなどで消費者の電気代への関心が高まっている。建て替えには早い築20年以内の分譲マンションが全国に300万戸以上あり、節電対策が手薄な既存物件に照準を合わせて需要を掘り起こす。
 割安な電気料金は、電力一括購入サービスをする出資先の企業と、電気の使用状況を随時把握して無駄を見つけ出す家庭用エネルギー管理システム(HEMS)を使い、実現する。
 大京はすでに筆頭株主のオリックスと共同出資するオリックス電力(東京・港)を通じ、電力会社から割安な高圧電力を一括購入し、低圧にしてマンションの各戸に配電する事業を手がける。電気代は電力会社から直接購入するより5%程度安い。HEMSを導入すれば電力使用量も減らせ、電気代が全体で最大2割程度安くなるという。
 まず、13年度に横浜市でサービスの実証事業を始める。マンション管理子会社の大京アステージ(同・渋谷)が管理し、電力一括購入サービスを導入済みのマンション4棟(約200戸)にHEMSを導入する。実証には東芝、NTT東日本、セコムなども参加する。
 HEMSの電力計測装置は各住戸の分電盤に取り付ける。計測したデータはインターネットなどで確認でき、それをもとに節電の意識を高めてもらう。夏の電力需要のピーク時に使用を控えるよう要請したり、映画館の割引クーポンを発行して外出を促したりする仕組みを検討中だ。
 節電を反映した月々の電気代はオリックス電力から各家庭に請求される。機器の設置は1戸あたり十数万円かかるが、経済産業省のHEMS機器設置の補助金制度があり、それで賄う。
 大京は実証を踏まえてサービスの詳細な枠組みや料金体系などを詰め、2年後をめどに本格的に提供を始める。
 新築マンションなら企画・開発の段階から電力の一括購入やHEMSを簡単に組み入れやすいが既存物件では居住者の合意が必要。このため既存の分譲マンション向けにはこうしたサービスは普及していない。大京はグループでマンション約8千棟(約44万戸)の管理を受託。管理組合との接点が多いため事業が展開しやすいとしている。
 人口減少や所得低迷などで分譲マンションの新規供給戸数は11年に約8万戸と、ピークの4割弱に落ち込んでいる。一方、これまでに供給された累計は約580万戸にのぼり、既存物件の管理・改修ビジネスの商機が拡大している。

チェーン店の電力量、NEC「見える化」支援、10〜20%の節電提案
日経産業新聞 11月16日

 NECは小売りや外食のチェーン店向けに店舗の電力使用状況を「見える化」し、節電や業務改善を支援する仕組みを開発した。空調や照明など設備別の消費電力やフロアごとの温度を店舗ごとに把握してデータを分析。10〜20%の節電につながる改善策を提案する。来春をめどにサービスを開始する予定だ。
 新サービスを利用するには、店舗の分電盤に電力使用量を高い精度で計測する「スマートコントローラ」を設置する。新規店舗向けにスマートコントローラを内蔵した「スマート分電盤」も用意する。同時に、フロアごとに温度センサーも設置する。
 電力や温度のデータはNECが運用するクラウド上のサーバーに集約、各店舗やチェーン本部の担当者がインターネットに接続したパソコンなどでデータを見る仕組み。設備別や時間帯別、日付別などのデータをグラフ形式で見ながら、電気の使用状況や業務実態を分析できる。
 開店の数時間前にフロア照明が点灯していたり、店長が不在の日に給湯器の電源を入れたままにしたりする電気の無駄遣いが分かるほか、空調の使いすぎや照明の消し忘れなどを警告する機能もある。揚げ物を作るフライヤーに関連するデータからは、注文が増える前にあらかじめ稼働しているか、機器を適切な時間に洗浄しているかといった業務実態も把握でき、改善につなげられる。
 毎週や毎月のデータをリポート形式にまとめてメール配信することや、NECの担当者が顧客企業に助言する機会を設けることも予定している。2011年夏から数社のチェーン店舗を対象に始めた実験では、消費電力を10年比で10〜20%削減できたとしている。
 設備の初期導入費用は店舗の規模や業態にもよるが、数十万円になる見通し。別途必要になる月額の利用料金は未定だが、顧客は3〜5年程度で投資回収できるという。

●2012.11.12更新
電気自動車走りながら充電、国総研、模型の車使いシステム実験
日本経済新聞 11月11日 朝刊

 国土技術政策総合研究所は10日、走行中の電気自動車(EV)にケーブルを使わずに電気を送る未来の給電システムの実験を公開した。無線で走る模型の自動車を使った。来年にはEVでの実験も計画している。
 給電システムは道路に埋め込んだコイルに電気を流すと、生じた磁気が自動車に搭載されたコイルに共鳴して伝わり、電気が流れる仕組みだ。
 実験は一周約25メートルのコースで実施。電球を付けた無線操縦の模型自動車が、コイルを埋め込んだアクリル板の上を走ると明かりがともり、子供たちからは「わっ」と驚きの声が上がった。
 実用化する際は、路面の下70〜90センチメートルにコイルを埋める。同研究所高度情報化研究センターの小原弘志主任研究官は「10キロメートルごとに設置すれば、走行中に勝手に充電してくれる。バッテリー切れを心配する必要もなくなる」と話している。

スマートパワーシステム、災害時に使えるHEMS開発
日刊工業新聞 11月9日

 【横浜】スマートパワーシステム(相模原市中央区、荻沼康之社長、042・851・3841)は、災害による停電時でも住宅内機器を使えるHEMS(家庭用エネルギー管理システム)を開発、発売した。宅内で普段使っているコンセントに携帯電話の充電器などをつなぎ、太陽光パネルや蓄電池の電気で動かせる。首都圏を中心に中堅の住宅会社(ビルダー)に売り込み、初年度の2013年9月末までに2000戸の導入設置を目指す。HEMSと並行して、独自開発の蓄電池を拡販する。
 HEMSの商品は「パワミル制御用分電盤システム」。首都圏のベンチャー企業では初めて、経済産業省のHEMS導入補助金の対象機種認定を9月末に取得した。住宅購入・リフォーム発注家庭に対する末端販売価格は48万900円、これに対し10万円の補助金が出る。
 システムの導入住宅には、制御分電盤から宅内のコンセントまで最大5系統の配線工事をし、太陽光パネルや蓄電池からの電力供給路を確保。
 携帯電話の充電器やテレビ、照明、冷蔵庫などの機器について、停電により電力会社から電気が供給されなくなっても、太陽光パネルが発電した電気や蓄電池に蓄えた電気によって作動する。
 市販の電気自動車に搭載される蓄電池も利用できる。
 エネルギー利用の可視化では、電気だけでなく水道やガス、蓄電池の使用量も目で見て把握できるようにした。
 スマートパワーシステムは11年6月に設立され、独自のリチウムイオンポリマー蓄電池を開発・製造。HEMSは首都圏を中心に複数の中堅住宅会社と提携し設置戸数を拡大。家庭で蓄電池を備える需要の高まりを見極めながら独自開発製品を売り込み、HEMSと蓄電池をセットにした高付加価値ビジネスの基盤を築く。

香川大など、高齢者向けEV(ダイジェスト)
日本経済新聞 11月9日 朝刊

 香川大学工学部と香川県内の自動車関連企業などでつくる次世代自動車関連技術開発研究会(EV研究会)は、高齢者向けに安全性能を高めた小型電気自動車(EV)を開発する。緊急時に自動ブレーキがかかったり、事故の多い交差点に差し掛かったときに警報音を鳴らしたりするシステムを開発、2013年3月までに試作品の完成を目指す。少子高齢化が進む中、安全性に配慮した車の需要が広がると見込む。

スマートハウス、生活データ、節電のカギ――ソニー、積水化
日経産業新聞 11月6日

ソニー 米実験で情報収集
積水化 周囲と比較し助言

 スマートハウス(次世代省エネ住宅)の節電効果を高めるため、家庭の生活実態データの把握に、企業が着目し始めた。積水化学工業は一定地域の家庭の電力消費データを収集・比較している。ソニーは米国の実験に参加し、家庭内の電力データの収集方法を工夫する。太陽光パネルや蓄電池などハードの設備だけでは、本来の「賢さ」を十分アピールできないとの意識が高まっている。
 積水化学は現在スマートハウス向けのサービスとして、自宅の電力消費を、関東、関西など同じ地域のほかの家庭と比較できるサービスを提供している。地域ごとに平均値を算出して比較する。
 今後、より精度を高めるため、家族構成や間取りなどのデータも把握し、同様の家族と比較できるようにする計画だ。
 スマートハウスの分電盤には、リビングなど部屋ごとのほか、エアコンやIHクッキングヒーターなど機器ごとにセンサーを配置して、消費電力を計測できるようにしている。このため「家族内の個人ごとの消費電力も推計することも可能」(住宅カンパニー技術部の塩将一グループ長)という。
 「あなたは昼間の調理に他より多く電力を使っています」。スマートハウスの居住者に対し、こんなきめ細かな節電のアドバイスもできるようになる。さらにデータを使い、電機メーカーへの省エネの提案ができるようになる。例えば、同じような家族構成・間取りの家庭で、どのメーカーのエアコンがより電力消費量が少ないかもわかる。
 データに関するセキュリティー上の課題もあるが、うまく生かせば、ハウスメーカーが電機メーカーに対し、電力消費の改善などへ交渉力を高めることもできる。
 同社は2011年から、家庭の電力消費を見える化するHEMS(家庭内エネルギー管理システム)事業を展開。現在のHEMSの加入件数は3000件で、毎月600〜700件ずつ増えている。
 ソニーは、家庭の分電盤にセンサーを1個追加するだけで家庭内の機器ごとの電力消費を把握し「見える化」するシステムを開発中だ。複数のセンサーを設置する他社よりも一歩進む。12年3月からは米テキサス州での実証事業に参画している。
 目的は単なる見える化ではない。実証実験を指揮する只野太郎コーポレートR&Dプロジェクト統括は「スマートハウス事業の最終的な競争領域はハードではなくソフトになってくるだろう」とみる。顧客の生活データを多く集め、分析したメーカーが節電に本当に効果がある機器や、使い方を含めたサービスを生み出せると考えている。
 スマートハウスやそこで使う家電の単純な節電性能を競っても消費者への魅力は小さい。生活データを効果的かつ適切に集めて新サービスを創出する発想力が問われる。

●2012.11.05更新
日東工業、メガソーラーに参入
日刊工業新聞 11月1日

 日東工業は大規模太陽光発電(メガソーラー)事業に参入する。菊川工場(静岡県菊川市)など3工場で合わせて最大出力3200キロワット分の太陽光発電パネルを設置し、2013年3―5月に順次稼働する。菊川工場の建屋の屋根に太陽光パネル4640枚を設置。また唐津工場(佐賀県唐津市)の敷地内に5600枚、東北日東工業(岩手県花巻市)の敷地内に5520枚を置く。年間発電電力量は計355万キロワット時。投資額は約9億円。発電した電気は電力会社に売電する。平年通りの天候が続いた場合、年間1億5000万円の売電収入を見込む。

スマートシティ現場発(3)クルマは走る発電所、愛知・豊田、非常時、地域内で融通
日経産業新聞 10月31日

 愛知県豊田市のスマートシティ実証地区。屋根に太陽光パネルを備えた住宅が並ぶ光景は他の実証地区と同じだが、異なる点が1つある。全67戸の9割にトヨタ自動車のプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」が置かれることだ。
 PHVは家庭のコンセントから充電した電気とガソリンを併用して走る。逆に、車にためた電気を家庭用の非常電源として使えないか――トヨタやデンソー、中部電力などは12月、PHVを蓄電池にして家に電気を供給する「V2H(ビークル・トゥー・ホーム)」の実証試験を始める。
ナビから家電操作
 プリウスPHVの電池容量は約4キロワット時。ガソリンが満タンなら最高で一般家庭4日分に相当する40キロワット時の電気を供給できる。車を持たない高齢者宅やガソリンを入れ忘れた家庭にプリウスが走り、食事や入浴時の電気を供給することも可能。車が走る「発電所」として、エネルギーの媒介役となるわけだ。
 「普段は車を走らせるだけだけど、余った電気を有効活用できるなら、節電や非常用電力として使ってみたい」。入居者の1人は興味深そうに話す。「非常用電源として、PHVに買い替える時代が来る」。トヨタの川本雅之技術統括部主査は普及に自信をみせる。
 非常時だけではない。トヨタグループはプリウスの車内からカーナビを使い、家の鍵を閉めたり、到着前にエアコンのスイッチを入れたりといった便利な使い方も開発中。実証に参加するトヨタホームの山根満技術部長は「PHVと連携することで住宅の価値も高められる」と期待する。
 PHVや電気自動車(EV)は市販が始まったが、本格的な普及はこれから。充電器などインフラ整備も緒に就いたばかりで、V2Hも実用化は2013年以降とみられていた。しかし、東日本大震災後の電力不足を受け、非常用電源としての期待から各地で導入の動きが加速してきた。
 神奈川県の横須賀市役所近くにある行政センターに今年夏、見慣れない装置が設置された。日産自動車のEV「リーフ」からセンターに電気を送るための専用装置だ。蓄電池の直流電力を交流に変えて供給する。
 同市は震災後、「非常時でも市民に情報提供を続けるため、様々な手段を検討してきた」(熊沢彰経済部主任)。リーフの活用はその一環。夏の実験の結果、節電に努めても、EV1台では照明や電話、プリンターといった業務に必要不可欠な機器を2〜3日使うのが限界だった。
 そこで考え出したのが「リーフ数珠つなぎ作戦」。来年3月末までにEVを現在の3台から13台以上に増やし、EVから施設に電気を送る専用装置も7台まで増設する。地域の電力需給が逼迫するなど非常時には複数台のリーフをつなぎ、施設に電気を送り続ける。
 ただ、この作戦はすぐには実行に移せない。車からの電気と電力会社の電気の両方を屋内で同時利用するには電力会社の認可が必要なためだ。家庭用では分電盤で電気を分けて利用するのが一般的。横須賀市は夏のピーク時などに両方の電気をバランスよく使いたいため、今年末にも認可を得るよう準備を進める。リーフからの電力供給が実現すれば、市役所関連施設の電力消費を4%程度減らせる見込みだ。
HEMSとも連携
 さらに頼れる非常用電源を目指し、EVと家のエネルギーの「司令塔」である家庭内エネルギー管理システム(HEMS)との連携を磨くのが三菱電機だ。
 EVとの連携機能を備えたHEMSを独自に開発。非常時に稼働させる家電に優先順位などを設定することで、限られたEVの電池を徹底的に有効活用することを目指す。「EVから家庭に電力供給する技術の実用化だけでは限界がある。家庭の節電もセットで進める必要がある」(電機技術開発部長の川久保守氏)との考えだ。
 例えば、優先度の高い冷蔵庫や情報機器、照明などは非常時にはエコモード運転に切り替え、エアコンやレンジは自動停止させる。三菱自動車の「アイ・ミーブ」などを使い、鎌倉市の実証施設で13年春まで評価を続けるが「すでにEV1台の電気で住宅を1週間使い続けるメドがたった」(川久保氏)という。
 V2Hが本格的に実用化されれば、顧客だけでなく、地域にとっても非常時に柔軟に電源を確保できるメリットがある。自動車と住宅の連携は始まったばかり。両者の融合が進むことで、従来以上にスマートなエネルギーの活用法を探る動きが活発化しそうだ。

機器別に電力使用状況を把握、イトーキ(新製品)
日経MJ 10月31日

イトーキ(0120・164177)の自社の電力使用状況をきめ細かく把握できる「リアルタイム電力自動測定システム」
 分電盤やLAN(構内情報通信網)に取り付け、電気配線ごとの使用電力量や電気代を把握する機器類とソフトから成る。照明や空調といった系統単位のほか、パソコンなどの機器別でも計測可能。さらに、リアルタイム、時刻ごと、日や月単位でパソコン上で把握でき、電気の無駄を削減できる。
 同じフロア内なら無線通信を、壁やフロアをまたぐ場合は既設の電力線を使う独自の通信技術を採用。すべてに専用線を敷設する従来品と比べ工事費を5割程度低減できる。インターネットを介して各拠点の電力使用状況を本社で一括管理することも可能だ。
 《50万円から(工費は別途)》

●2012.10.29更新
家庭やアウトドアで活躍、電力供給、EVから、日産、三菱自
日経産業新聞 10月26日

日産 家庭の2日分を「リーフ」に蓄電
三菱自 「アイ・ミーブ」が外出先の電源に

 電気自動車(EV)のバッテリーを家庭用電力として利用する装置が相次ぎ登場している。日産自動車はEVのバッテリーを住宅の分電盤に直接接続して利用できる装置を開発。三菱自動車はコンセントを備えて家電などに直接使えるようにした。災害時に非常用電源として活用したり、夜間電力を使って電気代を節約したりする様々な使い方ができそうだ。
 日産がニチコンと共同で開発した「EVパワーステーション」は日産のEV「リーフ」向け。電気料金の安い夜間電力や太陽光発電を使ってリーフに充電し、昼間に家庭用電力として利用することで、電力使用のピークを引き下げる「ピークオフ」につなげられるのが特徴だ。
 蓄電能力は24キロワット時で、一般家庭の2日分の電力に相当する。電力料金が安い夜間に蓄電するため1カ月で約4400円の電気代を節約できるという。
 本体と設置工事費用を含めた価格は約33万円。同容量の家庭用蓄電池の場合、導入費用は1000万円超になる計算。EVを活用することで費用面では一石二鳥の効果がある。
 EVパワーステーションは住宅の分電盤に接続し、コネクターをリーフの充電口につなぐだけで家庭に電力を供給できる。同装置を経由すれば通常の充電の速度が2倍となり、最短4時間でフル充電が可能。燃料費の削減や、非常時の電源としても役立てられる。
 一方、EV開発で先行する三菱自動車はEVの「アイ・ミーブ」や「ミニキャブ・ミーブ」と組み合わせて使える「ミーブ パワーボックス」を4月に発売した。最大の特徴は、移動先でEVから電気を取り出せることだ。
 レジャー用として屋外でコンロや照明、電気ポット、携帯電話の充電用の電源として活用したり、移動式店舗の電源として使ったりする活用方法を提案している。商業用に使われる発電機を持っていなくても、気軽に外出先でコンセントを使えるのが売り物だ。
 直流電流を使うバッテリーを家庭用の交流電流に変換。最大出力1500ワットで5〜6時間連続使用することができ、一般家庭の1日分の電力消費量をまかなえるという。電力のピークカットや電気代の節減にもつながる。価格は14万9800円。
 ハイブリッド車も災害時などに非常用電源として使えるようにする動きが出ている。トヨタ自動車は「プリウス」を電源として使えるコンセントをオプション設定したモデルを22日に発売した。100ボルト電源で、ガソリンを満タンにして発電すると一般家庭で4日分の電気をまかなえるという。オプション価格は6万3000円。
 EVから電気を取り出して使う取り組みは地方から広がっている。三菱自は京都府と協力し、災害が発生した際にEVを自治体の建物や避難場所などに貸し出して、無線機器などを使用するための非常用電源として活用することを決めた。

リチウムイオン蓄電池、NEC、事業所向け中型機、来春発売、容量、家庭用の9倍
日経産業新聞 10月24日

節電や停電時に活用
 NECは2013年4月にもガソリンスタンドなど中小事業所向けに容量が50キロワット時のリチウムイオン蓄電池を発売する。現在販売している家庭向け蓄電池と比べて約9倍に容量を増やす。事業所の電力ピーク時の節電用途や、停電時などの非常用電源としての活用を見込む。相模原事業場(相模原市)で生産し、価格は1500万円以下を目指す。
 商品化に向けて、今春からJX日鉱日石エネルギーと共同で試作電池を使った実証実験を始めた。横浜市新子安のガソリンスタンドに50キロワット時の蓄電池の試作機を設置し、電気自動車(EV)向けの充電システムとして提供。EVの充電は通常は電力会社からの電力を使うが、実証実験では電力ピーク時や非常時には蓄電池の電力を優先的に使う。実験は14年春までの予定だ。
 近年の少子化や自動車販売台数の頭打ちなどにより、ガソリンスタンドは年間1000店減少する傾向にある。特に地方では過疎化などもあり、ガソリンスタンドの減少傾向は強いことから、自宅でも充電できるEVを選ぶ人が増えている。
 東日本大震災を経て事業所の節電や停電対応などの需要が高まっている。事業所は消費電力が大きいため、数十キロワット時以上の大容量の蓄電池が求められていた。NECは中型の蓄電池を商品化することで、ガソリンスタンドや節電対応を強化する事業所向けに蓄電池の需要を開拓する考え。
 同社が今年3月末に発売した家庭用リチウムイオン蓄電池は容量5・53キロワット時で価格は約150万円。価格を1キロワット時当たり20万円台後半と業界でも最安値クラスに設定した。初年度の販売目標は1万台。13年度からは事業所向けの商品も増やすことで、蓄電池の販売で攻勢をかける。
 NECは蓄電池を軸としたエネルギー事業を今後の主力事業に育成する考え。エネルギー事業の売上高は11年度の640億円から12年度は740億円に増える見込み。

●2012.10.22更新
自動車業界がV2H普及に本腰
電気新聞 10月22日

 自動車業界は「V2H装置」の普及に本腰を入れ始めた。電気自動車(EV)を「走る蓄電池」として利用し、停電時やピーク時に家電製品に電気を供給するもの。三菱自動車が交流1500ワットを出力できる装置を4月に投入したのに続いて、日産自動車が今夏、分電盤に接続することで宅内給電できる装置を発売。こうした中、日本自動車工業会(自工会)は2012年度税制改正要望書に初めてV2Hを盛り込んだ。電機メーカーも実証を進めており、規格競争も含め今後ホットな分野となりそうだ。

◆メーカー、技術競争激化
 先頃千葉市で開かれたITとエレクトロニクスの総合展示会「シーテックジャパン」には、多くのメーカーからV2H装置が出展された。中でも多くの注目を集めたのが、初めてブースを出展したトヨタ自動車。プラグインハイブリッド車(PHEV)からスマートフォンへの充電を体験してもらう展示を行った。

◆震災がきっかけ
 同社が取り組みを進めるのは東日本大震災により、ニーズの手応えをつかんだためという。実はプリウスを発電機として使う構想は以前にもあった。しかし、アイドリングストップ条例との兼ね合いで「現実的ではない」との判断が下されていた。そのため長らく開発が止まっていたが、震災時に交流1500ワットを取り出せるエスティマ・ハイブリッドが被災地で重宝されたことから、再び推進へとかじを切った。
アイドリングストップ条例では自治体とも協議。「発電運転は『アイドリング』には当たらない」との解釈により、問題を回避した。普通充電口を利用する独自形式を利用することが特徴だ。
一方、その他の陣営はすべて、急速充電規格としてスタートしたCHAdeMO(チャデモ)を利用する。大容量の直流電流を安全にやりとりできることが既に実証されており、EV側の対応もソフトの書き換えで済むなど利点が多いためだ。
日産はニチコンと共同開発した「リーフ・トゥー・ホーム」を、三菱自動車は1500ワット出力の交流出力装置を複数個所に展示した。三菱電機も大船スマートハウス(神奈川県鎌倉市)で実証を進める、太陽光・EV対応パワーコンディショナーを出展。直流と交流を変換するパワコンは既に太陽光で知見があり、一体化することでコストメリットも追求できるというわけだ。
同展示会では見られなかったが、三菱重工業やシャープなどもV2Hに取り組んでいる。独自方式を推進するトヨタも、実はチャデモ方式との「両張り」戦略を採る。関係の深いデンソーを通じ、三菱自動車・三菱電機陣営の技術を応用、愛知県豊田市で実証を進める。各メーカーとも成長市場として期待していることが読み取れる。

◆減税対象に追加
 こうした盛り上がりを受けて自工会は、毎年まとめている税制改正要望書で、V2Hをグリーン投資減税の対象に追加するよう求めた。現在はEVそのものや急速充電器などが対象となっているが、V2Hも加わればEVとのセット導入が期待できる。
課題もないわけではない。日産は「リーフ・トゥー・ホーム」を防災対策として全国の自治体に寄贈した。自治体側は歓迎したが、他の急速充電器メーカーから「寄贈を受けたということで自治体と進めていた商談が打ち切られた。健全な市場育成にはマイナスでは」と批判の声も聞こえる。市場の立ち上がり時にみそを付けては後々に課題を残しかねない。将来性が期待される技術だけに、メーカーには焦らず、着実な普及を図ることが求められそうだ。

イトーキ、電力使用をきめ細かく把握できる測定システム
日刊工業新聞 10月18日

 イトーキは施設内での電力使用状況をきめ細かく把握できる「リアルタイム電力自動測定システム」を18日に発売する。無線と電力線を使い分ける独自の通信技術の採用により専用回線が不要で、配線工事費も従来比で5割程度低減できる。価格は50万円から。エネルギーコストの削減に力を入れるオフィスビルなどの需要を取り込み、初年度5000万円の売り上げを目指す。
 「電力線通信」と「無線通信」を融合した独自の通信技術を採用し、通信配線工事の手間とコストを大幅に低減した。壁やフロアをまたぐ場合は電力線を、同じフロアの中では無線を選択して通信する。計測機器も小型化しており、既設の分電盤内に設置でき、取り付け工事や取り外し工事も簡易化にした。
 照明や空調といった系統単位に加えて、機器別にも細かく自社の電力使用量を計測。リアルタイムでの管理だけでなく、1日、1カ月単位で電力使用量を表示、管理することも可能だ。
 施設の規模や用途に応じてシステムを柔軟に構築できるのも特徴だ。例えば営業所やチェーン店など拠点が複数にわたる場合、インターネットを介して各拠点の使用電力を計測。データを一カ所に集約して比較・分析することにより遠隔地にいながらそれぞれの施設の使用電力の無駄を見つけ出せる。

日の丸EV、はや孤立感――先行日産、負担増の恐れ(NewsEdge)
日経産業新聞 10月18日

充電規格「チャデモ」が落選
欧米「コンボ」離陸準備着々
日産自動車など日本メーカーが主導してきた電気自動車(EV)ビジネスに逆風が吹き始めた。自動車関連規格の標準化団体、米自動車技術者協会(SAEインターナショナル)は15日、EVの急速充電規格に欧米自動車大手が推進する「コンボ」を採用すると発表した。日本が実用化に先行して官民が世界標準化を目指してきた「CHAdeMO(チャデモ)」規格の強力なライバルとなる。日本勢が孤立する懸念が強まっている。
「『日の丸EV』の世界展開に向けた打撃は少なくない」。17日、SAEの発表に接した日本のEV業界関係者は肩を落とした。
コンボは5月、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)など米独の自動車大手8社が発表した。急速充電は蓄電池の容量がまだ小さく常に電池切れリスクがつきまとうEVにとって不可欠の技術だが、コンボは普通充電と急速充電のプラグが一体化しているのが特徴。2つに分かれているチャデモに比べ自動車開発の負担は少ないとされる。GMとVWは13年にもコンボ対応のEVを投入する。米国でのコンボの地域標準化が確実だ。
日本の関係者の落胆の色が強いのは、それが日本勢に少なからぬコスト負担を強いるためだ。10年までに日産やトヨタ自動車、東京電力など日本勢が協力して立ち上げた規格チャデモはすでに実用化している。日産の「リーフ」や三菱自動車の「i―MiEV(アイ・ミーブ)」などが同規格に準拠。急速充電器も世界で1600基以上が設置済みだ。
両者はプラグの形や充電時の電池と充電器をつなぐ通信方式も異なる。互換性はなく今後コンボがデファクト化すれば、日本製EVは大幅な設計変更が避けられない。すでに海外で販売するEVの改修が必要になる可能性もあり、本来不要のコスト負担を強いられる可能性もある。米国にはチャデモの急速充電器が約100基あり、今後2年間で700基以上の新規設置も計画される。日本に次ぐEV市場をコンボに奪われれば、今後欧州やアジアの規格争いも不利になる。
日本のEVビジネスにとって、急速に狭まるコンボの包囲網は「泣き面に蜂」だ。17日、神奈川県座間市の日産サービスセンター京浜支社。20台近く並んだリーフを前につなぎの作業着に身を包んだ首都圏の日産ディーラーの整備士が真剣な表情で故障した部位を調べていた。今年で36回目を迎えた日産の技術大会は初めてリーフを競技車両に使用。大会の出場者はみな日産社内のEV資格を取得している。「EV技術を磨く場になれば」と大会を取り仕切る酒井雄一郎国内サービスグループ部長は話す。
だが意気込みと裏腹に、EV販売のペースは上がらない。日産は16年度までに提携先の仏ルノーとの合計で計150万台のEVを販売する計画。だが10年末に発売したリーフの累計販売台数は約3万8000台。日産は「1〜2年で成功・失敗を論じるのは正しくない」(渡部英朗執行役員)と強調するが、道のりは険しい。
EVの販売が伸びないのは割高な価格なども背景にあるが、それ以上に大きいのはエコカー市場でハイブリッド車(HV)など有力な対抗馬の存在感が増しているため。トヨタの本命はあくまでもHV。12月にチャデモ対応の小型EV「eQ」を発売することも発表したが、リース用でわずか
100台の限定販売だ。
欧州勢も従来強みを持つディーゼル車やガソリンエンジンを小型化して過給器を組み合わせた「ダウンサイジング」車を強化しており、EVはあくまでワンオブゼム。年内に小型EVを国内に投入予定の独ダイムラーも「EVは主に近距離移動手段」と急速充電の必要性に懐疑的だ。
日本では3月、古川元久国家戦略担当相(当時)と日産の志賀俊之・最高執行責任者(COO)が会談して官民でチャデモの世界標準化を目指すことを確認。日産やトヨタでつくる「チャデモ協議会」を母体に国際電気標準会議(IEC)などに標準化の働き掛けを始めていた。志賀COOは「EVは業界全体で市場を育てていく段階」と連携の必要を強調するが、日産の孤軍奮闘が目立ちEVは埋没しつつあるのが実態だ。
すでに販売したEVや整備した充電インフラを含め日本の先行優位を捨てるのは惜しい。技術開発で先行しながら規格化で遅れを取り後発のライバルに抜き去られる――携帯電話の第3世代規格(3G)などで日本勢が繰り返してきた負けパターンだ。EVがその轍を踏まないためには、オールジャパンのあり方を再検討する必要がある。

●2012.10.16更新
電気自動車向け超電導モーター、住友電工、開発に着手、来春試作品
日本経済新聞 10月13日 朝刊

 住友電気工業は電気自動車(EV)向け超電導モーターの開発に着手した。セ氏マイナス約200度で電気抵抗がゼロになる特殊な超電導線でコイルを仕上げ、ガソリン車の燃費に相当する消費電力を2〜3割減らす。まずは来年春までにバス用の試作品をつくり自動車メーカーへ提案。2020年をメドに量産する。
 超電導モーターで動くEVは、まだ実用化されていない。銅線を使った現在のEV向けモーターは電気抵抗の発生が避けられず、電力ロスがかさむ。ガソリンエンジンなどに比べて低速域でのトルクも見劣りするため、バスやトラックなど大型車両への搭載が遅れている。
 住友電工は独自に開発した「高温超電導線」でコイルをつくることに成功した。密閉したモーター内の液体窒素で常時冷やしながら駆動。電気抵抗をゼロにして駆動によるロスを限りなく抑える仕組み。電池の小型化や走行距離の延長にも努め、フォークリフトや小型トラックへの搭載も視野に入れる。

東ガス、熱電併給システム、停電時、柔軟に配電、電力計で直前の状況把握
日経産業新聞 10月4日

 東京ガスは3日、コージェネレーション(熱電併給)の発電能力を停電時にフル活用できるシステムを開発したと発表した。停電前の電力使用状況に応じて配電先を臨機応変に追加。配電先に指定していない設備にも、発電余力に合わせて電力を供給する。オフィスなどで「コージェネがあるのに電気を使えない」というケースを減らせる。
 新システム「ジェネスマート」はスマートメーター(次世代電力計)と組み合わせ、コージェネと連動させる。メーターをビルのフロアやテナントといった単位で設置し、消費電力を1分ごとに計測。コージェネから送られる電気を、停電前に電気を多く使っていた部署に自動的に配電する。
 鹿島と組み、まず複合施設「東京イースト21」(東京・江東)で10月中に施工を始める。すでにコージェネを備える施設に追加導入できる。システム本体は約250万円で、メーターの費用や分電盤の改修コストが別途かかる。
 従来のコージェネは、停電時には指定した配電先にだけ電力を供給していた。

ネットで自宅使用量を確認・制御 節電システム発売へ エディオン
中国新聞 10月4日 朝刊

 家電量販のエディオン(広島市中区)は10月下旬から、家庭の節電を支援するシステムの販売を始める。パソコンや携帯端末からインターネットを通じ、電力使用量の確認や機器の制御ができる。
 名称は「エディスマHEMS(ヘムス)スタンダード」。電力の計測機器や制御装置を家庭の分電盤に取り付け、リアルタイムで電力使用を確認、制御できる。事前に設定した電力を超えるとアラームが鳴って節電を促す。設定した優先順位に応じて自動で電源を切る機能もある。
 家庭用の太陽光発電設備と連携させ、発電量や売電量、売電価格なども表示する。
 機器の購入費や工事費を合わせ、設置費は10万円(税別)。国の補助金(10万円)で大半を賄える。使用料は月250円。
 7月には中小ビルなどを対象にした同様のサービスも始めた。家庭向けを合わせて、今後2年間で
200億円の売り上げを見込む。「電力消費に家庭の関心が高まっており、大きなニーズがある」とみている。

●2012.10.03更新
三菱自、170人中途採用、今年度、EV開発加速へ7割増
日本経済新聞 10月3日 朝刊

 三菱自動車は電気・電子系の技術者を中心に中途採用を増やす。2012年度は11年度比7割増の170人と、ここ10年間で最大規模の人員を確保する。電気自動車(EV)の製造に必要な電池や電子制御などに関わる技術者を電機・情報機器メーカーなど異業種から広く集める。ガソリン車に代わる次世代の開発体制を整備する。
 12年度は技術者120人、事務職50人を中途採用する。技術者はEVのほか、ハイブリッド車、家庭用コンセントが利用可能なプラグインハイブリッド車(PHV)など環境車の開発に充てる。具体的には「ミーブ・オペレーションシステム」と呼ぶ独自のEVなどの統合制御技術を高度化。電池の管理や駆動力の制御、省電力化、スムーズな発進などを可能にする技術開発を推進する。
 EVなどの環境車はリチウムイオン電池や駆動モーター、電力制御用のインバーターなど従来のガソリン車にはなかった専門の部品を多数搭載している。このため、メーカーにとっては電気・電子系の中核技術の蓄積が競争力に直結する。
 三菱自動車はEV「アイ・ミーブ」と商用EV「ミニキャブ・ミーブ」をすでに販売しているほか、12年度中に軽トラックEV、SUV(多目的スポーツ車)の「アウトランダー」のPHVを投入する方針。車種の拡充に伴い、開発部門の人材が不足していた。
 事務職は新興国など海外拠点で働く人材を拡充する。タイや中国などアジアを中心に生産技術や購買、営業などを担当する社員を増やす。円高などで自動車の国内生産が低迷するなか、新興市場へのシフトを加速する。

分電盤出火、昨年の2.5倍ペース 今年上半期 東京消防庁が注意喚起
産経新聞 9月29日 東京朝刊

 ■地震でねじ緩む?
 ブレーカーなど配電装置をまとめた住宅用分電盤から出火するボヤが、今年に入り急増し、6月までの半年間で昨年の約2・5倍のペースで増えていることが東京消防庁への取材で分かった。東日本大震災後、地震が頻発し、配線をつなぐねじが緩み、ショートしやすくなっている可能性があるという。いまのところ全国的な統計はないが、東日本を中心に同じように地震が頻発していることから、同庁は注意を呼びかけている。
 東京消防庁によると、都内で分電盤からの出火件数は、今年1〜6月で53件。昨年は1年間で40件で、すでに昨年の発生件数を超えた。
 建物の全半焼など大規模な火災では、分電盤からの出火を特定するのは難しいため、ボヤ以外にも大きな被害が出ている可能性も否定できない。
 分電盤が原因と分かっても、激しく焼け、詳細に分析できないケースは多いが、今年1月上旬に葛飾区内の住宅で発生したボヤでは、分電盤の漏電ブレーカーに接続されていた電気配線を締めているねじが緩んだため、電気抵抗が増え、発熱・出火したことが分かった。
 東京消防庁は「分電盤が古くなり劣化すると、ねじが緩みやすくなる。ねじが緩むとショートし、たまったほこりなどでの発火が増えているのではないか」と分析する。
 気象庁のまとめによると、昨年1年間に発生した震度1以上の有感地震は9723回で、統計が残る昭和以降で3番目の多さだった。
 電気設備の安全点検などを行う関東電気保安協会は「度重なる地震の振動で、分電盤の端子(ねじ)が緩んでしまう可能性はある。火災が発生しやすくなる原因につながる」と話す。
 ただ、家庭にある分電盤のねじを、自分で締め直してはいけないという。感電の危険性があるため、電気事業法では、独自の点検が禁止されているからだ。4年に1回以上の定期検査が義務づけられている電力会社に、点検を依頼することが火災予防になる。
 ねじが緩んでいる分電盤は、老朽化していることが多く、ブレーカーが落ちやすくなったり、小さなショートで変な臭いがしたりすることもあるため、東京消防庁は「こうした異変を感じた際に、消防や電力会社へすぐに連絡してほしい」と話している。

ホンダ、停電時も起動、ガスコージェネ、家庭向け
日経産業新聞 9月26日

 ホンダは25日、停電時でも起動できるようにした家庭用ガスコージェネレーション(熱電併給)ユニットを開発したと発表した。ガスエンジンで発電機を回すが、これまでは起動時には、電力会社からの電力を使って起動する仕組みだった。停電時のエネルギー対策への関心が高まるなか、需要を開拓する。
 ガス会社が給湯・暖房システムに同ユニットを組み込んで11月に発売する。
 新しいガスコージェネユニットは、停電時でもエンジンを起動できるよう、本体に始動グリップを設けた。非常時には、グリップを引っ張ることで本体を起動できる。起動すると、ガスエンジンで発電機を回して電力を生み出すとともに、排熱を給湯器などの熱源として利用できる。ユニットを含む価格をガス会社で設定するとしている。
 二つのコンセントを用意した。これまでは通常時の分電盤と配線がつながっているコンセントのみだったが、停電時用の別のコンセントを加えた。停電時には家電製品や給湯器などを専用コンセントにつなぎかえて利用する。ユニットの電力出力は約1キロワット。

トヨタ、小型EV年内に、ハイブリッド、3年で21車種投入、エコカー全方位展開
日本経済新聞 9月25日 朝刊

 トヨタ自動車がエコカーの全方位展開に乗り出す。主力のハイブリッド車(HV)で3年間で21車種を投入するのと同時に、小型電気自動車(EV)を12月に日米で発売するほか2014年にはエンジン排気量を落として燃費効率を高める「ダウンサイジング・エンジン」技術も導入する。資金力と技術力を背景に普及の可能性のあるエコカーを幅広く手掛け、新興国を含む世界市場で主導権の確保を狙う。
 24日に都内で環境技術説明会を開き、内山田竹志副会長が今後の戦略を明らかにした。
 EVの小型車「eQ」を12月に発売する。新型リチウムイオン電池を搭載し、1キロメートルの走行に必要な電力量は104ワット時と世界最高性能を実現したという。1回の充電で走れる距離は約100キロメートル、最高時速125キロメートル。価格は360万円。
 トヨタはHVや家庭でも充電できるPHV(プラグインハイブリッド車)を中核にし、EVには慎重姿勢だった。しかし、近距離の移動ではEVの需要も高まるとみて参入を決めた。まず日米の自治体などに100台を販売する。米国では小型SUV「RAV4」のEVを9月中に発売する。
 ダウンサイジング・エンジン技術は燃費性能ではHVに劣るが、低コストの利点を生かして新興国での普及が見込める。このためトヨタも同技術を採用したエコカーを投入する。排気量を2・5リットルから2リットルに小型化したガソリンエンジンに過給器を組み合わせたダウンサイジングエンジン搭載車を14年以降、発売する。過給器搭載の1・4リットルのディーゼルエンジン車も15年に投入する。
 トヨタはBMWと提携し、2リットル前後の中型車用ディーゼルエンジンの供給を受ける。それ以外の小型エンジン、商用車用は自社開発する。
 HVは今後3年間で、14の新モデルと既存7モデルの改良の計21モデルを発売する。主力セダン「カローラ」のHVなどを追加する見通し。トヨタの販売車種の大半でHVを選べるようにする。
 エコカー補助金の後押しも受け、トヨタの12年のHV販売台数は120万台程度と11年比倍増の見通し。HVの販売比率は国内で今年前半に45%に達した。今後は10%強にとどまる世界全体での拡販にも力を入れる。
 中国や米国ではモーターなどの基幹部品を含めた現地生産を計画。内山田副会長は「HVは利益が出ているが、さらにコストを下げて世界に普及させる」と述べた。
 トヨタはHV技術を応用したPHVを今年1月から日米欧で順次発売、8月末時点で計1万5600台を販売した。既存車種でHVやPHVの搭載を増やす一方、近距離用はEV、中・長距離は航続距離が長い燃料電池車を用意する。「燃料の多様化に対応する」(内山田副会長)ことで顧客の裾野を広げていく戦略だ。
 ▼ダウンサイジング・エンジン エンジンの排気量を少なくしながら、出力を高める技術。燃料を高圧で吹き付ける直噴エンジンと、ターボチャージャーなど過給器を組み合わせる。燃焼効率を高めて燃費を向上しつつ、過給器によって多くの空気を送り込み出力を高める。独フォルクスワーゲン(VW)が2005年に主力車「ゴルフ」で搭載したのが先駆けとされ、今ではエコカーの主力技術の一角を占める。ハイブリッド技術よりも低コストなため、新興国での普及も期待されている。

●2012.09.24更新
ホンダと東芝が協力、スマートハウス実験、住宅間エネ融通
日経産業新聞 9月24日

 ホンダと東芝は21日、スマートハウス(次世代省エネ住宅)の実証実験に協力して取り組むと発表した。ホンダが2012年4月からさいたま市で実証している住宅に、東芝のエネルギー管理システム技術を適用する。
 ホンダはこれまで、2軒の実証住宅に太陽光パネルや蓄電池、ガス発電機などを配置し、HEMS(家庭内エネルギー管理システム)で住宅内のエネルギー使用を効率化する実験を行ってきた。13年度から実証住宅を3軒に増やすほか、住宅間でエネルギーを融通できるようにすることで、エネルギー管理の範囲を個々の住宅から広げる。
 電気自動車(EV)で使った電池の2次利用や、家電制御の通信規格「エコーネット・ライト」を使った省エネ制御の実験も行う計画だ。
 同日会見したホンダの伊東孝紳社長は「15年にスマートハウスのシステムを一般向けに販売したい」と語った。

積水化、省エネ住宅拡大、分譲販売5割増めざす
日経産業新聞 9月21日

 積水化学工業は20日、次世代省エネ住宅「スマートハウス」の分譲住宅事業を本格展開すると発表した。太陽光発電システムと蓄電池、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)を備えた住宅を土地とセットで提案。政府が予定する消費増税前の駆け込み需要も開拓、分譲住宅の販売を2014年3月期に13年3月期見込みに比べ5割増の1500棟に増やす。
 スマートハウスの分譲住宅事業「スマートハイムシティ・プロジェクト」で、8〜50区画程度の分譲住宅を全国で展開する。平均出力4・6キロワットの太陽光発電設備を中心に、省エネ性を高めた住宅を提案する。今年12月までにスマートハウスの分譲型モデルハウス40棟を開設する。
 物件をあらかじめ建設する「建売住宅」に加え、住宅用地を販売する際に一定の期間内に積水化学の住宅を建てる契約を結ぶ「建築条件付き販売」を合わせて提案。13年3月期の分譲住宅販売戸数は約1千区画を見込むが、今秋から来秋にかけて発生が見込まれる消費増税の駆け込み需要を取り込み、販売戸数を大幅に引き上げる。

●2012.09.18更新
パナソニック、家庭内の電力、自動制御
日本経済新聞 9月12日 朝刊

 パナソニックは11日、家庭の電力使用状況などを把握し、家電の電力消費を最適に制御する新型機器「AiSEG(アイセグ)」を10月21日に発売すると発表した。エアコンの温度を自動変更してエネルギー使用量を減らしたり、使用電力のピークを見極めてクッキングヒーターに使える電力を配分したりできる。
 分電盤やガスメーターとつないでエネルギー使用量を計測し、エアコンなどを自動制御する。専用モニターのほか、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)でも電力の使用状況を確認し、操作できる。インターネット経由でソフトウエアを更新し、電気料金が変更された場合や、新たに発売する家電にも対応する。価格は11万2350円で、2013年度に1万セットの販売を目指す。
 エネルギー消費量を常時把握しながら効率良く節約できる家庭内エネルギー管理システム(HEMS)の市場は今後拡大する見込み。パナソニックは関連商品を含め、HEMS分野で15年度に2000億円の売上高を目指す。

東芝が家庭用蓄電システム発売 HEMS対応タイプも
日刊工業新聞 9月11日

 東芝は10日、定置式家庭用蓄電システム「エネグーン」を11月に発売すると発表した。定格容量は6・6キロワット時(自社の蓄電池「SCiB」144個搭載)で、出力は業界トップクラスの3・0kVAを実現、系統電源との併用も可能という。利用条件にもよるが、停電時などにはエネグーン単独で冷蔵庫や照明などを約12時間使用できる。市場想定価格は150万円。東芝ライテックが販売する。販売目標は今後1年間で1万2千台としている。
 エネグーンは幅89・2センチメートル、奥行き30・2センチメートル、高さ108センチメートル、質量168キログラムの蓄電池本体と、コントローラー、分電盤で構成。蓄電池は約2時間でフル充電でき、6千回以上のサイクル寿命がある。
 コントローラーは、黒と白を基調にしたスタイリッシュなデザインで「おすすめ」や「アシスト」などの操作ボタンを配置した。運転・充電履歴の表示や充放電時間が複数設定できるダブルタイマー、電池残量の設定などの操作に対応。エネグーンを家庭の分電盤につなげることで、大型エアコンなどの電圧200V機器も含めた家中の家電に電力供給できる。
 さらに蓄電システムとしては初めて、2011年7月に策定されたHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の通信規格である「エコネット・ライト」に対応した機種もラインアップ。これを東芝の家庭用IT(情報技術)システムである「フェミニティ」と接続することで、スマートフォンで蓄電システムの運転状態や充電量などを外部から閲覧できる。
 このほか夏季や冬季、朝晩など空調機器や調理などで大電力を消費する際にコントローラーの「アシスト」ボタンを押せば、契約電流を超える分の電力をエネグーンから供給できるため、ブレーカーが落ちる心配もなくなるという。

省エネ住宅、地域と連携、三井ホームが実証施設、需給に応じ電力融通
日本経済新聞 9月11日 朝刊

 三井ホームは10日、千葉県柏市にスマートハウス(次世代省エネ住宅)の実証施設を建設したと発表した。最新型のHEMS(家庭内エネルギー管理システム)を採用。地域のエネルギー管理システムとの連携で電力を融通し需給の逼迫に対応するなど住宅の電力使用量を最適化する。
 複数台の蓄電池や自家発電機なども導入。エネルギー自立型の住宅を評価・検証する。
 家庭と地域のエネルギー管理システムを連携させ、地域全体での電力消費量を「見える化」する。2015年ごろまでに、家庭と地域間で電力を融通できるようにするのが目標だ。
 エネルギー自立型住宅の実現に向け、大容量の太陽光発電システムや2台の蓄電池、軽油を使うディーゼル発電機などを導入する。電気自動車(EV)をケーブルなしで充電する非接触充電システムも設置する。
 実証実験の期間は15年11月まで。14〜15年までの実用化を見込んでいる。

●2012.09.10更新
水俣にメガソーラー建設 河村電器産業工場内 来年2月発電開始=熊本
西部読売新聞 9月8日 朝刊

 配電盤などの電気機械器具を製造する河村電器産業(本社・愛知県瀬戸市)は7日、水俣市の水俣工場敷地内に、出力1134キロ・ワットの大型太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。メガソーラーの建設は同市では初めてで、県内では10例目。
 同社によると、用地は工場東の空き地約1万7480平方メートル。今月中に着工し、来年2月に発電を開始する。総工費は3億6000万円。一般家庭約400世帯分の電力を発電し、九州電力に売却する方針という。
 同工場の松永豊工場長が市役所で記者会見して発表し、「山の上の開けた土地で、冬でも十分な発電量を得られると思う。自社の技術も生かし、収益性を高めたい」と述べた。宮本勝彬市長は「市が進める新エネルギー政策の後押しになり、心から感謝している」と語った。

電気車充電4000ヵ所、20年メド、日産・住商やJX、広がる連携、普及に弾み
日本経済新聞 9月5日 朝刊

 日産自動車と住友商事、JX日鉱日石エネルギーなどは4日、共同で電気自動車(EV)の急速充電設備を2020年までに4000カ所に増やすと発表した。各社が独自に展開する有料サービスも相互に使えるようにする。国内には4万カ所近いガソリンスタンドがあるが、充電拠点もその1割を超す規模に増える。消費者にはEVを運転する環境が整い、新車購入時の選択肢が広がりそうだ。
 電池の性能が技術革新の途上にあるEVは、1回当たりの充電で走れる距離が短いのが課題とされていた。国内の急速充電設備は現在約1300カ所、EV自体も累計3万台程度しか普及していないのが現状だ。
 今回、充電設備の設置で中心になるのは日産、住商と昭和シェル石油、NECが出資する「ジャパンチャージネットワーク」(JCN)。同社はまずファミリーマートや東日本高速道路、成田国際空港などと連携し自動車販売店やコンビニ、高速道路のパーキングエリアなど首都圏約20カ所に急速充電設備を設ける。
 JCNはこれまで急速充電設備の普及を促すために充電サービスを無償で提供していた。10月からは有料に切り替え、専用決済カードで1回420円(最も使用頻度が少ないプラン)から充電サービスを提供。事業化をめざす。
 一方、1月に会員制充電事業を始めたJX日鉱日石エネルギーや出光興産など石油元売り4社とも提携。首都圏を中心に約30カ所のガソリンスタンドでサービスをしている4社の決済カードと利用しあえるようにする。
 今後は充電設備の整備も共同で進め、20年にも計4000カ所に拠点を増やす。設置コストは1カ所400万〜500万円程度。国内のガソリンスタンドの1割に相当する規模まで増えればEVの普及に追い風となる。JCNは20年にもEVの普及が50万台以上(累計)に達するとみている。
 自動車業界の試算によればガソリン車1台をEVに換えた時の二酸化炭素(CO2)の年間削減量は約0・9トン。EVが50万台普及すると年45万トン程度(保有台数で計算した自動車の総排出量の1%弱)のCO2削減につながる可能性がある。
 充電サービスはトヨタ自動車や中部電力も独自に展開。日立製作所やNTTデータなども充電インフラ整備のための実証実験に取り組んでいる。
 EVの急速充電設備を巡っては日本の標準規格「CHAdeMO」と欧米の「コンボ」方式の規格争いが激しい。急速充電設備の普及で日本が各国を一段と引き離せば、規格争いを優位に進める効果も期待できそう。
 ただトヨタやホンダはハイブリッド車にも力を入れ、EVの普及に最も熱心な日産とは戦略面で温度差もある。本格的な普及には小型車でも300万円以上する価格の高さも課題だ。

大成建設ハウジング、既設住宅向け蓄電池、エリーパワー製採用、顧客に節電手法提案
日経産業新聞 9月5日

 大成建設ハウジングは既設住宅向けに、9月中旬をめどに家庭用蓄電池を発売する。新築住宅に太陽光発電や蓄電池などを組み合わせた省エネ住宅も販売しているが、割高で需要の本格化はまだこれから。非常用電源としても使えるエリーパワー(東京・品川)製の蓄電池を取り付け、顧客に夜間の蓄電による節電手法も提案。省エネを軸にまず既存顧客との関係を深める考えだ。
 エリーパワーの容量が2・5キロワット時の蓄電池を販売。既設住宅の分電盤への取り付けなどもする。太陽光パネルの電力をためて使うには容量が少なめだが、停電対応などの非常用電源としては実用的で、割安な夜間電力の蓄電にも使える。
 価格は約180万円。経済産業省の補助金制度(電池価格の3分の1を助成)を使えば顧客は約120万円程度の負担に抑えられる。
 大成建設ハウジングは販売済みの住宅は10万戸に上る。定期的な住宅のメンテナンスや、全国各地で定期開催している住宅セミナーなどで蓄電池の効果などをアピールする考え。この蓄電池は13年春までの約半年間で50台の販売を見込む。
 同社は新築住宅にパナソニックの蓄電池(4・65キロワット時)と家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、シャープの太陽光パネルを組み合わせたシステムも販売している。蓄電池などのシステム分の価格は補助金分を引くと400万円程度。ただ、大成建設ハウジングの新築住宅は年間800戸程度で、蓄電池などを組み合わせた新システムへの需要は現状ではわずかとみられる。
 大成建設ハウジングは、大成建設の全額出資子会社。東日本大震災では、主力の鉄筋コンクリート住宅が「地震でも倒れにくい住宅」として再認識された。震災後、安全性や省エネなどへ顧客の関心がシフトしてきたことを実感しており、既設住宅でも省エネの手を打つ。
 大成建設は今年5月に蓄電池ベンチャーのエリーパワーに約7億円を出資して2%の株式を取得するなどエリーパワーとの関係を強めている。
エリーパワーの蓄電池の概要
▽容 量 2.5キロワット時(やや小型)
▽価 格 約180万円(補助金対象)
▽安全性 難燃性の材料を電極に採用
▽生 産 川崎市の新工場で量産

電機各社、事業体制見直し 価格、急落に備え LED照明、販売拡大も…
産経新聞 9月4日 東京朝刊

 電機各社が、発光ダイオード(LED)照明事業の競争力向上に向けた施策を相次ぎ打ち出している。東芝は国内生産の統廃合に動き、三菱電機は照明子会社を一本化。パナソニックは欧州市場の本格的な開拓に乗り出した。電力不足を背景に省エネ性能に優れたLED照明の国内需要は急拡大しているが、一方で価格の下落も続いている。各社とも将来にわたり安定収益を確保するためには事業基盤の強化が不可欠と判断している。
 東芝グループの東芝ライテック(神奈川県横須賀市)はLED照明器具などを生産する長井工場(山形県長井市)など国内4工場を来年3月末に閉鎖する。4工場で生産している製品は鹿沼工場(栃木県鹿沼市)と中国の工場に集約。同時に照明事業を展開する子会社の東芝照明システム(鹿沼市)と製造子会社のLDF(静岡県沼津市)を来年4月に吸収合併する。組織もスリム化し、コスト競争力を強化する。
 三菱電機は10月に傘下の照明子会社3社を統合。あわせてLED照明の新ブランド「MILIE(ミライエ)」を立ち上げる。照明子会社の一本化で意思決定を早め、統一ブランドによって販売を効率化する。
 国内でLED照明事業体制の見直しが進むのは、急速な価格下落で今後、市場の伸びが鈍化するとみているためだ。
 安値攻勢を仕掛ける中国・台湾メーカーの台頭で、LED照明の店頭価格は「3年前に比べ半値以下の1個当たり2千円程度に落ちている」(中堅照明メーカー)状況。今後の普及拡大に伴い、一段の値下がりは避けられない。
 調査会社の富士経済は、平成24年の国内LED照明の販売金額は前年比1・7倍も伸びるのに対し、27年時点では24年比1・2倍にとどまると予測している。
 半面、規制強化で今後の伸びが見込まれるのが欧州市場だ。照明に占めるLEDの割合が13%と低く、白熱電球から高効率なLEDへの置き換えが進むと見込まれる。27年度には40%に拡大するとの予測もある。
 こうした市場予測を前提に、パナソニックは今年7月、一般消費者向けの40ワットタイプのLED電球を発売、欧州市場に本格参入した。ドイツやフランスでの販売を強化し、27年度にはLED照明の欧州売上高を22年度比5倍の150億円に高める。東芝も欧州のテコ入れで、27年度にグループのLED照明事業で3500億円の売上高を狙う。

●2012.09.03更新
米テスラ・モーターズ、日本にEVセダン投入、来年上期、チャデモ方式対応
日経産業新聞 8月31日

 米電気自動車(EV)ベンチャーの米テスラ・モーターズは30日、2013年上期に新型のEVセダン「モデルS」の国内販売を始める方針を表明した。日本標準の急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」方式に対応する。価格は未定だが同社の既存車種の半分程度になる見通し。低価格モデルの投入で日本市場を開拓する。
 30日、東京都内で開いたSモデルの技術説明会で明らかにした。車載電池の容量が40キロワット時、60キロワット時、85キロワット時の3タイプで、航続距離は最大480キロメートル。米国では先行して6月から出荷しており、同社主力車種であるスポーツカー「ロードスター」の半分の約5万ドル(約400万円)で販売している。
 日本でのロードスターの販売価格(1276万円から)の半分程度になる公算が大きい。来日した同社バッテリー技術部門のカート・ケルティーディレクターは「車載電池のセル(蓄電子)の容量を従来に比べ3割程度引き上げ、モーターの馬力も3割程度改善した」と語った。モデルSはグローバルですでに1万2000台の予約があり、12年中に5000台、13年に2万台の生産を計画中だ。

東電あす値上げ、節電もっと工夫地道に、節電モニター・セミナー人気
日本経済新聞 8月31日 夕刊

避難者「割り切れぬ」
 東京電力の家庭向け電気料金が9月1日に引き上げられる。家庭では、厳しい残暑でもエアコン使用を控えるなど地道な節電が浸透。自治体は電力使用量をリアルタイムで確認できるモニターを貸し出して後押しし、節電セミナーも盛況だ。一方、福島第1原子力発電所事故で首都圏への避難を余儀なくされた人たちは負担増に割り切れなさを感じている。
 今日使用した電力の料金は198円、二酸化炭素(CO2)の排出量も一目で分かる――。東京都台東区のマンションで家族5人暮らしの女性会社員(43)は、7月下旬にリビングに設置した「省エネナビ」のモニター画面を1日に何度も確認する。
 モニターは分電盤に測定器を取り付け、電力使用量や電気料金を画面に表示する仕組み。同区が無料で貸し出し、半年間利用できる。女性は「少しでも無駄を削って値上げに備えたい。この夏、エアコンを使ったのは3回だけ」と胸を張る。使っていない家電のコンセントを抜くなど地道な努力で、この1カ月の電気料金は前年より約14%減ったという。
 同区が持つ14台は全て貸し出し中で、区の担当者は「電力値上げで関心が一層高まりそう」と話す。35台を2カ月単位で貸し出す中央区も希望者が順番待ちをしている。
 節電の関心は高い。特定非営利活動法人(NPO法人)消費者住宅フォーラム(東京・世田谷)が7月に都内で開いた節電セミナーは、定員60人が1週間前に埋まった。矢野方雄理事長(70)は「震災前に自分が支払っている電気料金の額を認識している参加者は1〜2割だったが、今は7〜8割になった」と話す。
 ネット調査会社、ネオマーケティング(同・渋谷)が7月に成人500人を対象に行ったアンケートでは6割以上が「値上げは納得できない」とする一方、今夏に「自宅で節電する」人は83・6%。「こまめに照明を消す」が89・2%、「エアコン設定温度を高めにする」が63・6%だった。
 東電管内の7月実績を見ると、家庭向け需要は前年同月比14・5%減っており、節電意識の定着がうかがえる。
 ただ、料金値上げ分は原発事故で首都圏に長期避難している人たちも負担する。福島県双葉町から埼玉県加須市のアパートに避難している無職、高岡治雄さん(64)は「東電に料金を支払うのも納得できないのに、値上げとは……」と憤る。
 福島県浪江町から埼玉県鴻巣市に避難中の主婦、篠原美陽子さん(38)は「地元で原発事故の収束に必死になっている知人らの収入を守るためなら値上げは仕方ない」と話していた。

「コードに物載せない」−東電伊豆、3幼稚園で配線診断
熱海新聞 8月31日

 東京電力伊豆支社は「電気使用安全月間」(8月)に合わせて28日、熱海市立緑ガ丘幼稚園で配線診断を行った。社員2人が分電盤やコンセント周りなどを点検し、電気事故防止を図った。
 社員は▽電圧は正常か▽漏電していないか▽プラグとコンセントの間にほこりがたまっていないか▽電気コードが束ねたままになっていないか−などを細かく調べた。「年に1回は、電気を止めてコンセントの周りをはたいて」「コードの上に重い物を載せないように」などと同園の教諭にアドバイスした。この日は、上多賀幼稚園、多賀幼稚園でも配線診断が行われた。

●2012.08.27更新
技術立社特集―この技術に注目、HEMS、最適化、まず家庭から
日経産業新聞 8月27日

 次世代の省エネ型住宅「スマートハウス」の開発が活発だ。太陽光パネルや蓄電池を単に搭載するだけでなく、情報システムも活用して電力を家庭内で効率良く使えるように制御できる。中核を担うのが、HEMS(家庭内エネルギー管理システム)だ。
 分電盤やコンセントなどの消費電力をセンサーで集めることで消費電力を「見える化」。電力使用量が基準よりも多くなるとエアコンや照明などの電源をオフにしたり、省エネモードにより電力消費を抑える。
 屋根に設置した太陽光パネルや都市ガスで発電する燃料電池などでつくりだした電気・熱エネルギーも管理できる。余剰分は蓄電池に充電したり、タンクに湯をためたりすることで需要が多い時間帯に備える。
 11年末には経済産業省が、スマートハウスの機器の標準通信規格として「エコーネット・ライト」を推奨した。各メーカー間の機器を組み合わせたスマートハウスであっても見える化や省エネ制御が可能になる。日本はエコーネット・ライト対応を、欧州や米国にも働き掛ける計画だ。
 最近注目されているのが、電気自動車(EV)などの車載電池を家庭で使うシステム。ピーク電力の抑制や非常用電源としてEVを活用しようとの考えがある。トヨタ自動車はプラグインハイブリッド車(PHV)を活用し、12年末から愛知県豊田市で実証中の次世代省エネ住宅「スマートハウス」約10棟に導入。安全性などを検証して実用化をめざしている。
 三菱電機は5月から、太陽光パネルとEVを連携させ、家庭内の電力消費量を最適化する実証実験を始めた。EVを大容量蓄電池として活用する。停電が1週間続いても、家電を優先順位を付けて使えるように制御することで電力を使い続けることができる。

未来面―パナソニック会長大坪文雄氏、環境社会へまるごと革新
日本経済新聞 8月27日 朝刊

 2008年秋のリーマン・ショック、11年3月の東日本大震災、4カ月後のタイの大洪水。そして今年に入っての欧州債務危機。社会や経済を揺るがす地球規模の出来事が、ここ数年立て続けに起こりました。想定を超える事象の嵐によって、私たちは改めて「持続可能な社会」を築くための取り組みに真摯に向き合わなくてはならない、そうした思いを強めています。国や自治体は率先して新しい社会インフラづくりをどうするかを描き、実行していかなくてはなりませんし、企業や個人としてもできることから手を着けるべきです。
 グローバルな観点で世界を見渡しますと、新興国のめざましい発展によって、食糧や水不足が深刻さを増しています。資源・エネルギーも争奪戦となり、枯渇問題も現実のものとして危惧され始めています。大量消費社会から脱却しなくてはならない、ということが国際社会のコンセンサスになりつつあるのです。
 では、そのパラダイムシフトのなかで、私たちに何ができるのでしょうか。パナソニックは創業100周年にあたる2018年に「エレクトロニクスナンバーワンの環境革新企業」を目指すと公言しています。言い換えると「すべての事業領域の基軸に環境を置く」ということです。こう宣言した当時は、社外はおろか社内でも戸惑いの声がありました。
 「社会から求められている便利さや楽しさを捨てていいのか」「エコでは売れない」などという声が、私の耳にも入ってきました。もちろん、そうしたことを犠牲にするのではなく、環境との両立を実現してこそ新たな価値を生み出せるというのが真意なのです。環境に貢献すればするほど事業や企業が成長する構造に変えていかなくてはなりません。
 幸い、私たちには完全子会社化した三洋電機や吸収合併したパナソニック電工を含めて、グループで太陽電池やリチウムイオン電池、そしてそれを効率的につなぐ技術に強みを持っています。いわゆる創エネ、蓄エネ、省エネ、エネルギーマネジメントをワンストップでできる世界でも数少ない企業といえるでしょう。この経営資産を生かし、世界の人々に安心・安全かつ快適なグリーンライフを提供し、「くらし」を起点とした環境革新を起こすというのが私たちの究極の目指すところです。
 具体的な動きもあります。神奈川県藤沢市に13年に開業する「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」は、パナソニックの工場跡地19ヘクタールに住宅約1000戸を建てる計画です。すべての住宅に太陽光発電システムや蓄電池を設置し、つなげることで、家まるごと、あるいは街まるごと効率的なエネルギーマネジメントが可能となるのです。電気自動車(EV)なども駆使し、街全体の二酸化炭素(CO2)の排出量を1990年に比べて7割減らせると見込んでいます。
 来年以降、ここに暮らす人たちは、我慢したり背伸びしたりすることなく、エネルギーの地産地消を実現することができるでしょう。パナソニックが目指す環境と事業の両立の姿が、端的に表れます。こうしたスマートコミュニティーを今後、世界各国に展開していきたいと思っています。
 この事業を含めて重要なことは、単品のビジネスではなく、それらを有機的につないだパッケージで提供するということです。個々の製品の技術力や完成度が前提にあることは言うまでもありませんが、それを街の中全体で、あるいは家の中全体でつなぐパッケージ化によって、さらに価値を高めることにつながります。
 ここ数年、激変するグローバル市場において韓国勢に対応力、競争力の不足という現実を突きつけられました。リーマン・ショック後、彼らはいち早く立ち直りましたが、私たち日本企業は手間取りました。ただ、環境革新企業という観点ではコンセプトも技術力も私たちが先行しているのは間違いありません。世界のパラダイムが変わるなかで、中長期的には巻き返せると確信しております。
 とはいっても、当面目指す18年の「環境革新企業」に向けて、まだ1合目か2合目といったところです。山の形がようやく見えて、裾野を1周したところです。ここで一気に山を登れるか、足踏みするかは民間企業である我々の踏ん張りはもちろんですが、政府のサポートも大事になってきます。
 先ほどの韓国企業との差ではありませんが、日本企業を取り巻く環境はまさに「6重苦」です。円高や高い法人税率などに加え、最近では安定的かつ廉価な電力も損なわれました。グローバルで激しい競争をするうえで、極めて厳しい条件となっています。競争の土台をしっかりそろえるという意味で、この「6重苦」を無くせとは言いませんが、せめて極小化する努力を政府にはお願いできないかと思っています。これは一企業の浮沈という話ではなく、日本経済全体の中長期的な成長を左右する重要なファクターです。
 昨年度の赤字の責任は強く感じていますが、膿(うみ)を出し切った形となり、将来に向けての収益の足かせとなる要素は一気に排除しました。我々としては「環境革新企業」という目指す方向に間違いはないと強い思いを持っています。6月末に経営体制も変わりましたが、新体制のもと、課題にしっかりと手を打ち、力強く再スタートを切れたと確信しています。社会の公器として、今後私たちの存在感をいかに高めていくか。厳しく長い挑戦は始まったばかりです。

サンコーシヤ、雷防護デバイスの劣化状態をパソコンで監視できる装置発売
日刊工業新聞 8月22日

 サンコーシヤ(東京都品川区、伊藤真義社長、03・3491・7181)は、雷から電気設備を守る雷防護デバイス(SPD)の劣化状態をパソコン上で監視できる装置「スマートSPDシステム」を10月中旬に発売する。標準の電気設備の場合で価格は10万5000円。通信や電力を扱う企業、官公庁などに初年度1000システムの販売を目指す。
 雷で発生した電流は分電盤に取り付けられたSPDを通りアース(接地)に流れるため、電気機器の損傷を防げる。今回SPDをモニターにつなぎLANを利用することで、社内LANなどのネットワーク上にあるパソコンからSPDの劣化状態を確認できるようにした。
 同社が4月に発売したスマートSPDは、雷を受けた回数と交換を推奨する表示が出る。機能が低下しているSPDを早めに交換することで、雷による電気機器の破損を防げる。ただ、同タイプは現地で直接SPDの確認が必要で、SPDの点検は1年に1回程度のため、設備機器が雷に対し無防備になる恐れがあった。
 今回発売した監視システムは電気・電子機器などを守る電源用だが、今後電話やデータ通信機器などを守る通信用のSPDシステムを2013年以降に発売する見通し。

●2012.08.20更新
「アンペア下げ」依頼殺到 来月の東電値上げ控え
東京読売新聞 8月17日 朝刊

 東京電力が9月に実施する家庭向け料金の値上げ(平均8・46%)を前に、契約アンペアを下げる申し込みが殺到している。基本料金を抑え、値上げによる負担増を緩和できるためだ。ブレーカーの品不足などで、今契約変更を申し込んでも9月までには間に合わない状況だという。
 契約アンペアが多い家庭は電気を多く使うため、値上げ率もアンペア数に比例して上昇する傾向にある。
 60アンペアで契約した家庭の平均月間使用量は540キロ・ワット時と10アンペアの9倍に達する。この場合の値上げ率も60アンペアは9・8%となるが、10アンペアは1・9%にとどまる。
 契約アンペアを少なくすれば、ブレーカーが落ちることを避けるために電気の使用量を抑える意識が働く。
 30アンペアでは、冷蔵庫や照明を使った状態でエアコンと電子レンジ、炊飯器を同時に使うとブレーカーが落ちる可能性が高い。電気製品の普及に伴い、40アンペア以上の契約が全体の約4割を占めていた。
 契約変更は40アンペアから30アンペアなど1段階引き下げるものがほとんどだ。東電が政府に値上げを申請した5月頃から契約変更の申し込みが急増しており、今年4〜6月は2010年の同時期の1・7倍程度に達し、7月以降も同程度のペースだという。
 契約変更が殺到したため、交換が必要なブレーカーの品不足や、作業日程の調整が難しい状況になっている。申し込みから変更まで数週間かかる場合もある。「今申し入れても9月までに対応できない可能性が高い」(東電)という。
 東電と同様に、アンペアごとに基本料金が異なる他の電力会社も、節電意識の高まりなどから契約変更が相次いでいる。
 北海道電力は今年4〜7月の申込件数が、前年同期の1・5倍になった。九州電力と東北電力は東日本大震災前と比べて2倍近くに達している。
 ただ、東電は契約変更は無料だが、原則として1年間は元に戻せないなどの制約もある。
 節約・消費生活アドバイザーの和田由貴さんは「ブレーカーが頻繁に落ちて生活に支障をきたす可能性もある。家電をどれだけ使うのかを事前に把握し、家族とも相談することが重要だ」と助言している。
 
 〈契約アンペア〉
 東京電力の一般的な契約「従量電灯B」は10〜60アンペアの間の7段階から選ぶことができる。基本料金は10アンペアが273円で、10アンペアごとに273円高くなる。30アンペアの契約が42%を占めて最も多く、次いで40アンペア(24%)、50アンペア(12%)となっている。

トヨタ車体、小型EV1ヵ月で730台
日本経済新聞 8月10日 朝刊

 トヨタ車体 9日、7月に発売した1人乗り電気自動車(EV)「コムス」の受注が発売後1カ月で約730台だったと発表した。1カ月で年間販売目標(3千台)の24%に達した。内訳は法人が8割、個人が2割だった。

電力変換装置、25分の1に、安川電機、出力は同じ――EVの需要見込む
日本経済新聞 8月8日 朝刊

 安川電機は7日、従来製品と比べて体積を25分の1に抑えても同じ出力容量を持つ電力変換装置を開発したと発表した。電力変換の効率を高められる炭化ケイ素を使ったパワー半導体を採用し、1リットル当たりの出力容量を引き上げた。電気自動車(EV)に搭載すると車体を軽量化できるため、少ない電気でも長い距離を走れる。2014年度までの事業化を目指す。
 炭化ケイ素は高温でも動作できる。電力変換時の損失が少ない特徴もあり、効率的に電力変換をするための素材として注目されている。今回はこの炭化ケイ素を使ったパワー半導体を採用した。

●2012.08.06更新
大ガスの奈良スマート住宅実証 購入電力量を88%削減
電気新聞 8月6日

 大阪ガスと積水ハウスが2011年2月から共同で実施している「スマートエネルギーハウス(SEH)」(奈良県王寺町)における居住実験で、省エネルギーの成果があがっている。固体酸化物型燃料電池(SOFC)、太陽電池、リチウムイオン蓄電池の3電池の最適制御の導入により、購入電力量、二酸化炭素(CO2)排出量、光熱費の3項目で削減効果が得られることを居住環境下で実証した。実験は14年3月まで実施する予定。
◆電池3種を最適制御 居住環境下で省エネ
 SEHは、3電池と家庭内の電気機器などを制御するHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)などで構成。奈良県王寺町のSEHには、3人の家族が住み、実生活における省エネ性を検証している。3電池を備えた実験住宅で、実際に1年以上居住し、効果検証を行ったのは国内初。
 居住実験では11年7月1日〜12年6月30日の期間で、購入電力量を年間4830キロワット時から584キロワット時へと約88%削減し、CO2排出量も大幅な削減を実現。また、光熱費は約31万円の削減を達成した。
 独自の蓄電池の制御方法を導入したことで、燃料電池の稼働率を向上させ、さらなる排熱の有効利用が可能となった。通風ファンや電動シャッター、カーテンの制御も実施。夏季における屋外からの涼風利用、冬季の日射利用の促進を目的に導入効果を検証し、居住者の快適性向上につながる効果を確認した。
 今後は、3電池最適制御方法のさらなる改善や、電気自動車(EV)と組み合わせた運用の検討、実証用HEMSの開発などに取り組むとしている。
 15年までに実用レベルの技術開発を完了させ、SEHの早期市場導入を目指す。

地域の森保全へ一丸 花巻の企業 市、県と協定締結
岩手日報 8月3日 朝刊

 花巻市二枚橋の配・分電盤製造販売業、東北日東工業(松下隆行代表取締役、従業員80人)は2日、同市、県と企業の森づくり活動協定を結んだ。同市の協定締結は初めて。
 締結式は市役所で行われ、協定書に押印した松下代表取締役は「緑の保全を通じ地域に貢献していきたい」とあいさつ。高橋公男副市長、県南広域振興局の田村均次局長と握手を交わした。
 協定は、同社が5年間にわたり、宮沢賢治記念館=同市矢沢=南側の市有林5ヘクタールで、枝打ちや下草刈りなどをボランティアで行う。森林学習の場としても活用する。県は二酸化炭素吸収量を算定し、認定書を交付する。
 同社は1997年に日東工業花巻工場として同市に立地した。
 締結は、県の仲介では10例目となった。

家庭でエネルギー管理 HEMS参入 京でも活況 ニチコン 蓄電装置を初出荷 オムロン 電力消費を可視化
京都新聞 8月1日 朝刊

 電力消費を効率化する家庭向けエネルギー管理システム(HEMS)事業を京都の電子部品・電機メーカーが活発化させている。ニチコンは31日、HEMSの基幹とする蓄電装置の出荷を始めた。京セラも太陽電池と組み合わせたシステム販売に乗り出す。夏の電力不足問題などで家庭でも省エネ、創エネに関心が高まる中、成長市場の取り込みを狙う。
 
 「ライバルは日本、世界の大手だ。総力を挙げ、この業界で金メダルを目指す」。ニチコンが福井県小浜市の生産子会社で31日行った家庭用蓄電システムの出荷式で、開発を担った村上興雄電源センター長は高らかに宣言した。
 蓄電システムは同社のインバーター装置を核に、新たに提携した韓国大手のサムスンSDI製のリチウムイオン電池を搭載。太陽電池の発電や夜間の電力をため、日中の電力需要ピークや停電時に給電できる。導入家庭への国補助金を追い風に、太陽電池大手の京セラや住宅メーカーの積水化学工業を通じて8月に発売し、初年度1万台の販売を目指すという。
 出荷式で武田一平会長は「次の事業の柱に据え、将来はコンデンサー事業と同等の売上高500億円に育てたい」と期待する。
 京セラは、太陽光発電パネルとニチコン製の蓄電装置を組み合わせた新システムを売り出す。7月からシステムの設置業者向けセミナーも全国で開き、保守管理体制の整備を急いでいる。
 一方、オムロンは家庭の分電盤にセンサーを取り付け、太陽電池の発電量や電力消費を可視化する技術をHEMSに生かす。NTT西日本との合弁会社がスマートフォン(多機能携帯電話)などから電力使用状況を確認できるサービスを昨秋始め、6月からは家電量販店でセンサーなどの販売を始めた。
 製造元が異なるさまざまな家電製品を制御する技術開発も進む。日新電機は家電メーカー向けにHEMS対応製品開発支援キットを6月発売し、複数社から引き合いがあるという。

●2012.07.30更新
高速道に急速充電施設、道路各社、20年までに100ヵ所計画、EV普及に弾み、他
日本経済新聞 7月29日 朝刊

 高速道路各社は電気自動車(EV)に短時間で充電できる施設を整備する。2020年までに全国の高速道路の約100カ所に充電器を置く計画だ。電池切れを心配せずに長距離を移動できるようにする。高速道路で充電インフラの整備が進めば、次世代自動車として期待されるEVの普及に弾みがつきそうだ。
 EVはエンジンの代わりに電動モーターで動き、走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない。三菱自動車(アイ・ミーブ)、日産自動車(リーフ)が販売を始めている。ホンダも今夏に「フィットEV」の販売を予定している。民間調査会社は、20年に日本国内で年27万台、30年には年190万台が出荷されると予測している。
 中日本高速道路は16年度末までに、首都圏と中部地方を結ぶ中央自動車道で58あるサービスエリア(SA)のうち31カ所以上に急速充電器を置く。首都圏と中部地方をEVで行き来できるようにする。利用には事前登録が必要で、利用料は1回あたり100円。
 東日本高速道路と西日本高速道路は、数十カ所のSAやパーキングエリアに設置する。東日本は来年にも東京と新潟を結ぶ関越自動車道に数カ所設ける。阪神高速道路は5年以内に数カ所以上を設置する。首都高速道路や本州四国連絡高速道路も今後設置する方針だ。高速各社はEVの利用増が収益向上につながる。
 現在のEVは、1回の充電で100〜200キロ程度しか走行できない。充電インフラを整備できるかが普及のカギを握っている。日産自動車は高速道路への急速充電器の設置に「電気自動車で長距離を走るためには重要な設備。早期に実現してほしい」と期待する。国内の急速充電器は1000超あるが、多くは官公庁や自動車販売店、駐車場に設置されている。
 政府も充電器の設置を支援する。国土交通省は国道や道の駅の土地を、充電器を設ける民間企業や自治体に低料金で貸与する。貸し出しの可否を判断する審査期間も短縮する。
 電気自動車(EV)に短時間で充電するための設備。電池をほぼ満タンにするのにかかる時間は家庭用電源を使う普通充電が8時間程度。一方、急速充電は30分程度で済む。EVの普及には、街中や高速道路に急速充電設備を整備することが急務になっている。2010年に日本の自動車メーカーが急速充電の規格を立ち上げた。対応する充電器の設置は国内を中心に1000カ所を超える。

[エネルギーイノベーション]節電を商機に〈4〉日立エネ管理を推進
電気新聞 7月26日

◆成果着々 顧客支援にも力
 日立製作所は今夏の節電対策として、全国にあるグループ拠点238カ所にデマンド監視システムを導入し、エネルギーの“見える化”を推進している。同社発祥の地で電力システム機器を製造する日立事業所(茨城県日立市)では、従来の自家発電設備に加えて、2012年度中に「海岸」「山手」「臨海」の3工場に、20〜400kVAの非常用ディーゼル発電機7基、計1450kVA分を追加導入。節電対策とともに事業継続計画(BCP)の強化も進めている。
◆システム稼働
 また、日立市内の各製造拠点で設置を進めていた実証用の「分散型エネルギーマネジメントシステム(EMS)」を、今月12日から本格稼働させた。太陽光発電・蓄電池設備のほか、分散型の工場エネルギー管理システム(FEMS)や蓄電池設備の充放電制御による電力ピークシフト、空調の設定温度調節機能などを活用したピークカットに取り組む。
 同社は11年6月から、大みか事業所(同市)と周辺の事業所で分散型EMSの実証実験を計画し、関連設備の導入、整備を進めていた。今回、総発電容量940キロワットの太陽光発電設備や4200キロワット時の蓄電池設備、電気自動車(EV)の普通・急速充電器、分散型EMS、デマンドレスポンス(DR)技術を導入。蓄電設備は昼間の電力ピークシフトに活用するほか、天候の変化に伴う太陽光発電量の変動を補い、系統電力からの受電電力の安定化に役立てる。
 分散型EMSでは、事業所内の計900カ所に設置したスマートメーター(次世代電力量計)を活用。電力使用量を設計棟や生産棟などの建物別、分電盤別、用途(空調、照明、動力)別に見える化する。また気象予報から太陽光の発電量、電力需要量を予測し、蓄電池の充放電計画を立案。出力変動のある再生可能エネルギーを効率的に利用するとともに、電力ピークシフトを実施する。これらを活用し、大みか事業所では10年度夏季と比べ23%の使用電力を削減する計画だ。
 一方、自社製品として数多くの顧客に納めてきた、エネルギー使用量の見える化サービス「エコアシスト・エンタープライズ・ライト」の改良版の販売を18日から開始。自社製品の導入拡大により、顧客の節電支援にも貢献していく。
◆新機能を追加
 これまで、メーカーやシステムが異なるEMSでは、データ形式も異なるため1つのデータに集約し、一括して把握することが難しかった。これに対して「エコアシスト・エンタープライズ・ライト」は、顧客が複数の拠点で異なる管理システムを導入していても、エネルギー使用量のデータをリアルタイムに統合できる新機能を追加。これにより、顧客の工場や拠点ごとに異なるメーカーのBEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)でも統合管理できるようになった。さらに事業部、電力会社ごとに集計した画面も作成できるほか、クラウドを用いるため、短期間で導入できるといったメリットもある。
 同製品は、日立グループの電力大口需要拠点238カ所にも導入されており、「日立グループ電力データ集計システム」として、データを全従業員に公開。全社大で節電意識の向上を図っている。

 日立は7月12日から日立市内にある各グループ拠点を中心に分散型EMSの実証を開始した。

デンソー、住宅でEV急速充電
日本経済新聞 7月25日 朝刊

■デンソー 電気自動車(EV)の急速充電が可能な住宅用の電力供給システムを開発した。8キロワットの高出力で、EVが約20キロメートル走行するのに必要な電気を15分で充電でき、非常時にはEVの電池から住宅に電気を提供することも可能。トヨタ自動車などと愛知県豊田市で2013年から実証試験した上で、15年以降の市販を目指す。

●2012.07.24更新
オムロン、電力使用量を簡単に把握できる電力ロガー
日刊工業新聞Newsウェーブ21 7月24日

 オムロンは測定したい装置類の電源コードに取り付けるだけで簡単に電力使用量を把握できる「クランプ電力ロガー」を発売した。本体にセンサーやバッテリー、メモリー、表示器を搭載した一体型。分電盤など狭い場所にも簡単に設置できる。標準価格は3万1290円。節電対策を急ぐ企業に積極提案し、拡販を狙う。通常の電力計測では分電盤などに直接配線する必要があり、計測のたびに装置やラインを止める必要があった。新製品は電源コードに取り付けるだけで電力量を確認できる。リチウムイオン二次電池で駆動し、1秒間隔で計測する場合、約1週間の連続動作が可能。

充電1回で225キロ走行、ホンダのEV、電力の「燃費」、国内最高
日本経済新聞 7月24日 朝刊

来月リース販売
 ホンダは23日、国土交通省から電気自動車(EV)「フィットEV」が国内最高となる電力量消費率「電費」の認可を取得したと発表した。電費はエンジン車の燃費に相当するもの。フィットEVは1キロメートル走行するのに必要な電力量が106ワット時で、1回の充電で225キロメートル走行できる。また、8月下旬にリース販売を始めることも明らかにした。
 フィットEVは主力の小型車をベースに開発した。競合車では1キロメートル走行するのに使う電力量は日産自動車のEV「リーフ」が124ワット時、三菱自動車の「i―MiEV(アイ・ミーブ)」が110ワット時となっている。1回の充電で走行できる距離も競合車を上回った。既に米国環境保護庁(EPA)からもEVとして米国で最高の電費となる認可を取得している。
 最高速度は時速144キロメートル。日本仕様車には急速充電口を搭載している。充電時間は急速充電器を使う場合で約20分、200ボルト電源を使う場合で約6時間となる。価格は未定。当面は自治体や企業向けにリース販売し、一般には販売しない。

分水嶺 2012 7・23
岐阜新聞 7月23日 朝刊

 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし―。プロ野球ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた名将・野村克也さんの名言
▼勝ちにはまぐれがあったり、相手が勝手にこけてくれたりするが、負けには必ず理由がある。必然性があるということだ。企業にも同じようなことがいえるのか
▼電気設備資材メーカーの未来工業(安八郡輪之内町)は型破りで独創的な経営で知られる。何せ成果主義はとらず、ノルマも残業もなし。年間の休みは約140日もあり、給料に不満が出ることもない
▼それでなぜ会社がもうかり、業績を伸ばせるのか。不思議の勝ちなのか。同社創業者で取締役相談役の山田昭男さん曰(いわ)く「普通の会社の反対のことをやる」。つまり他社との差別化を図るということだ
▼社員のやる気を引き出し、常に考えることを求める。そのためには社員が感動する会社であろうとする。顧客のニーズに応え、満足させるための第一歩。稼ぐのは会社ではなくて社員という思想
▼「働かなくても給料は出すよ」。大胆な発言にも甘える社員はいない。未来工業のケースは、決して不思議の勝ちではない。しっかりと裏付けがあって、利益を上げている。ただまねするだけでは同様の成果を出せるわけではないだろう。常識をどう破るかだ。

キラリわが社のロングセラー(6)河村電器産業(抜粋)
日刊工業新聞 7月20日

【河村電器産業/住宅用分電盤「スマートホーム分電盤」】
 河村電器産業の住宅用分電盤「スマートホーム分電盤」は2001年の発売以来、10年間にわたり業績をけん引する主力製品。分電盤内部のブレーカー幅を従来品より約4割狭い2センチメートルとし、ひとつの分電盤に多くのブレーカーを収容できるようにした。同社の住宅用分電盤の9割以上はこのタイプ。生産量は年間約10万台で、日本の分電盤市場の約15%にあたる。
 内部の配線を集約したり、ブレーカーに奥行きを持たせたりして小型化を実現した。商品名の「スマート」も最近多用される「賢い」ではなく「細身」という意味。ブレーカー容量や回路数などによって60種類ある。
 開発のきっかけは、太陽電池や燃料電池など家庭用の発電装置の登場だ。従来の分電盤は電力会社からの電気を家庭内で配分する役割がほとんどだった。しかし自家発電機器の普及で、それらが生み出す電力の配分や電力会社への売電用に双方向で電気をやりとりする分電盤が市場から求められていた。「分電盤の多回路化が必要だった時代にいち早く製品投入し、一定のシェアを獲得できた」(営業企画部)と自負する。今後はブレーカーをさらに小型化した商品を開発する計画だ。
 ▽所在地=愛知県瀬戸市暁町3の86、0561・86・8111▽社長=河村幸俊氏▽事業内容=産業用、民生用電気機器の製造・販売▽ロングセラー商品の発売時期=01年(平13)

●2012.07.17更新
三井不レジ、マンションの防災基準拡充
日経産業新聞 7月17日

 三井不動産レジデンシャルは分譲マンションを開発する際の環境・防災に関する基準を決めた。電気自動車(EV)充電器や太陽光発電設備、エネルギー使用量の「見える化」システムなどを標準的に採用するほか、超高層物件における免震構造の採用などを掲げている。7月に設計を始める首都圏の物件から導入する。
 同社は昨年12月に新たな防災基準を公表した。今回はその内容を基本的に踏襲しつつ、消費者らに一段と伝わりやすいよう「環境共創プログラム」と「複層防災プログラム」に再編成し、内容を一部拡充した。

ピークシフト効果検証 分散型EMS設備が稼働/日立
電気新聞 7月13日

 日立製作所は12日、茨城県日立市にある日立グループの事業所で設置を進めていた「分散型エネルギーマネジメントシステム(EMS)」が本格稼働し、実証実験を始めたと発表した。今回稼働したのは、実験の第1フェーズとなる太陽光発電・蓄電池設備のほか、分散型の工場エネルギー管理システム(FEMS)など。蓄電池設備の充放電制御による電力ピークシフトや、空調の設定温度調節機能などを活用したピークカットに取り組み、大みか事業所(同市)で2010年度夏季と比べ23%の使用電力低減を目指すとしている。
 同社は11年6月から、大みか事業所と周辺の事業所で分散型EMSの実証実験を計画し、関連設備の導入、整備を進めていた。
 今回稼働した設備・システムは、総発電容量940キロワットの太陽光発電設備や4200キロワット時の蓄電池設備のほか、電気自動車(EV)の普通・急速充電器、分散型EMS、デマンドレスポンス技術など。蓄電設備については昼間の電力ピークシフトに活用するほか、天候の変化に伴う太陽光発電量の変動を補い、系統電力からの受電電力の安定化に役立てる。
 分散型EMSでは、事業所内の計900カ所に設置したスマートメーター(次世代電力量計)などを活用。電力使用量を設計棟や生産棟などの建物別、分電盤別、用途(空調、照明、動力)別に見える化する。また、気象予報から太陽光の発電量、電力需要量を予測し、蓄電池の充放電計画を立案。出力変動のある再生可能エネルギーを効率的に利用するとともに、電力ピークシフトを実施する。
 同社は実証実験を通じて、関連事業所での節電対策を徹底するとともに、事業継続計画(BCP)の強化などにも生かしていく。

東電、スマートメーター仕様見直し、省エネ機器に追い風――NEC、三菱電
日経産業新聞 7月13日

データ利用容易に
NEC 今秋までに販売
三菱電 年度内に実用化

 東京電力が12日にスマートメーター(次世代電力計)の仕様を見直す方針を発表、省エネ機器の市場拡大の追い風として期待が高まっている。スマートメーターからの電力データが利用しやすくなることで、家庭内の電力使用量を最適化するエネルギー管理システム(HEMS)は様々なサービスを生み出し、普及に弾みが付きそうだ。
 すでに、NECや東芝、三菱電機などはHEMS機器の開発や実用化を進めている。現在のHEMSは家庭内の機器の電力使用量を「見える化」する使い方が中心だが、今後はスマートメーターとの連携が進み、家電を省エネ制御するなどさらに電力使用を効率化できるようになる。
 各社は標準通信規格「エコーネット・ライト」で、スマートメーターやHEMS機器、家電機器を接続し、家庭内の電力使用量を最適化する考え。NECは今夏にも、HEMS装置を販売する。エコーネット・ライトに対応することで、電力消費量に合わせて家電機器を省エネ制御する。
 三菱電機は12年度内のHEMS装置の実用化に向けて開発を進めている。東芝は、6月にHEMS機器を実用化した。今後スマートメーターから時間帯別の料金を受信、電力料金の高い時間帯には家電を省エネ制御するなどが可能になる。スマートメーター周辺に電機・通信各社は新たな市場を見いだしつつある。
 ▼HEMS 家庭内の電力などエネルギー使用量を最適化するシステム。分電盤やコンセントなどにセンサーを組み込んで電力使用量を取得し、パソコンやスマートフォンなどでグラフ形式などで表示、管理につなげる。
 今後はスマートメーター(次世代電力計)や家電機器などが標準通信規格「エコーネット・ライト」でつながり、電力会社の時間帯別料金などと連携した、家電の省エネ制御などが可能になる。

EVで夜間電力活用しよう 北九州、メーカーが50台無償貸与 /福岡県
朝日新聞 7月12日 朝刊

 日産自動車の電気自動車「リーフ」にためた電気を家庭に供給し節電を促す取り組みを、日産と北九州市が始める。日産が今月下旬から来年3月末まで50台を無償で貸与し、市民や事業所の参加者を募集中だ。
 専用の装置にリーフと家庭などの分電盤を接続し、夜間はリーフに充電。日中はリーフから電力を供給できる。一般家庭の使用電力量の約2日分にあたる24キロワット時の電力量をためることができるという。
 北九州市の公共施設向けには5台程度を貸与する。市役所で9日に開始式があり、日産の片桐隆夫副社長は「市内の電力の安定供給に貢献できれば」と語り、北橋健治市長は「効果的に使って節電に役立てたい」と話した。
 北九州市内の戸建てに住む個人や事業者を対象に、22日まで参加者を募っている。車両の登録手続き料や任意保険などの自己負担が必要。貸与期間が終われば購入もできる。問い合わせは事務局(0120・86・6623)へ。

「河村フェローシップ」 海外の大学生が本紙見学
中日新聞 7月11日 朝刊

 【愛知県】米国や中国の学生を日本に招き、文化や新聞業界などを学んでもらう「河村フェローシップ」の参加メンバーが十日、名古屋市中区の中日新聞本社を訪れた。
 米国のハーバード大、マサチューセッツ工科大、中国の北京大の現役学生と卒業生五人が来社。大島宏彦最高顧問が応対した。
 学生たちは、インターネットの情報が新聞の未来にどう影響するかを質問。大島顧問は「長い歴史のある紙媒体の新聞への信頼は厚い。宅配を待っている読者も多い」と答えた。
 学生たちは、日本で新聞が政治をどう報道しているか、海外特派員が現地の報道規制にどう対応しているかなども質問。社内見学で新聞製作の工程を学び県体育館で大相撲名古屋場所を観戦した。
 河村フェローシップは瀬戸市の河村電器産業が毎年、日本に親しんでもらおうと開いている。

●2012.07.09更新
[特集]JECA FAIR2012 第60回電設工業展 製品コンクール
電気新聞 7月6日

◆製品の着想や活用度 社会的貢献度も注目「社会が抱える課題の解決に寄与」
 「JECA FAIR2012〜第60回電設工業展〜」(主催=日本電設工業協会)で実施された第51回製品コンクールの表彰式がきょう6日、大阪市北区のラマダホテル大阪で開催される。今回は38社が出展し、うち7社が初参加。製品の着想や活用度、社会的貢献度などに基づいて審査が行われ、国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞などに14製品が選ばれた。審査委員長代行の平田哲人・国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課長補佐は「社会が抱える課題の解決に寄与する製品が多かった」と総評している。
◇経済産業大臣賞
◆高圧絶縁監視機能付方向性SOG制御装置 戸上電機製作所
 戸上電機製作所の「高圧絶縁監視機能付方向性SOG制御装置」は、地絡事故の予兆となる微地絡を検出し、「見える化」できるようにした。自家用高圧受電設備の異常を早期に発見し、停電事故を未然に防ぐことができる。
 同装置は業界で初めてSOG制御装置と絶縁監視装置を一体化、従来のSOG制御装置ではレベル的にも時間的にも不可能だった微地絡の検出を可能にした。検出した異常は液晶画面に表示したり、警報を発信して知らせるほか、日時や電圧・電流値などのデータを記録する。
 また、同社製の高圧開閉器を使用している顧客の場合、開閉器の内蔵センサーを使用するため、新たなセンサーの設置が不要。一体型のため省スペース、低コストで設置することが可能となっている。
 近年では高圧需要家で受電設備の予防保全のニーズが高まっており、これまで以上の早期発見を可能にしたことが受賞の決め手となった。
◇環境大臣賞
◆パールテクト(住宅用分電盤) テンパール工業
 テンパール工業の「パールテクト」は、太陽光発電などの小出力発電機用ブレーカーを新たに開発・採用するなど、多様な顧客ニーズに応えて高機能化した住宅用分電盤だ。
 特に、スマートハウスのHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)対応として、LED(発光ダイオード)照明などの低消費電力機器でも測定できる超小型電流センサーを分岐ブレーカーに搭載。どの分岐回路でも高精度に電流を計測できるようにし、電気の見える化を可能にしている。
 このほか、一次送り回路のユニット化、分岐一次側での電圧測定構造の採用、扉なしタイプに現場で扉を追加可能にするなど、安全性の強化や施工性の向上を実施。分電盤本体のデザインも一新した。審査委員会からは、様々な工夫によって省資源と、省施工に貢献できる点が評価された。
◇中小企業庁長官賞
◆コンセントN―EテスタKEW4500 共立電気計器
 共立電気計器の「コンセントN―Eテスタ KEW4500」は、簡単な操作で接地極付きコンセントの誤配線のチェックが可能な計測器。これまで困難だった活線でのN―E(ニュートラル―アース間)の誤配線判定を可能にした。
 コンセントに差し込み、測定ボタンを押すだけで正常か誤配線かを判定、緑/赤のLED(発光ダイオード)ランプとブザーで知らせる。さらに本体下部の液晶ディスプレーで、一目でわかるように誤配線の状況を表示する。
 L―N間の電圧とN―E間の抵抗を測定可能。N―E間が誤配線でも30ミリアンペア以上の漏電ブレーカーを動作させないよう、測定電流は約10ミリアンペアにしている。
 このほか、暗い場所では自動的にバックライトが点灯して測定をサポート、付属の変換アダプターを用いることで3極式・2極式の両方のコンセントに対応できるなど、現場での使いやすさに配慮している。
◇国土交通大臣賞
◆住宅用創蓄連携システム パナソニック エコソリューションズ社
 パナソニック、エコソリューションズ社の「住宅用創蓄連携システム」は、太陽電池とリチウムイオン蓄電池ユニットに、両者のパワーコンディショナー機能を一体化した新開発のパワーステーションを加えた構成。日中に太陽光で発電した電力をそのまま使うだけでなく、余剰電力を蓄電池に充電することで最大限活用できる。
 蓄えた電力は、日中の電力供給の安定化や、夜間に使用可能。太陽光の余剰電力を売電ではなく蓄電にまわし、夜間に使うことでクリーンエネルギーをできるだけ地産地消するモードや、系統電源の深夜電力を充電しておいて昼間に使い、ピーク抑制と電気代低減に貢献するモードなど、生活者の好みで運転モードを選択できる。
 また、照明器具や冷蔵庫、通信機器など停電時に使いたい機器にあらかじめ配線工事をしておけば、停電してもコンセントを差しかえたりすることなく給電できる。電力需給が社会的な問題となる中で、太陽エネルギーの有効活用、停電時の電力供給、平常時のピーク抑制といった機能を併せ持つことが審査委員会に高く評価された。
◇労働安全衛生総合研究所理事長賞
◆磁界測定器FT3470―55 日置電機
 日置電機の「磁界測定器FT3470―55」は、送電線直下など磁界の空間分布測定に適した測定器。改正された電気設備技術基準に対応し、電源を入れると基準に合わせた測定レンジ、測定ファンクションで立ち上げ、すぐに測定に入ることができる。
 測定結果は3種類の単位で表示できるのに加え、基準値に対して磁界の強さが何%かという安全度合いを示す「曝露(ばくろ)レベル測定」も可能となっている。
 同社は今後、電子化の進展などで国内で磁界測定の必要性がさらに高まると判断。国内事情を考慮し持ち運びのしやすさや価格などの入手性にも配慮した。さらに、日本の民間企業として唯一同社が磁界校正設備を保有し、顧客の磁界測定を全面的にサポートする体制を整えていることも評価の一因となった。
◇関西電力社長賞
◆小容量一体形コンデンサ装置「ミニバール」 日新電機
 日新電機の「小容量一体形コンデンサ装置『ミニバール』」は、乾式コンデンサーと三相一括モールドリアクトルを一体化し、設置面積が従来比約2分の1と業界最小クラスを実現した。取り付けの簡素化や収納盤の小型化によって、トータルコストの削減に寄与、「エネ」と「エコ」を兼ね備えた装置として今までにない用途へも採用を期待する。
 高圧や特高のリアクトル一体型コンデンサーの考え方を応用し、3相のコイルを一体成型したリアクトルの採用などで小型化を可能にした。乾式コンデンサーを用いることで難燃性も確保している。
 また、コンデンサー保護のための電源として、リアクトル鉄心磁束を利用して発電する「エネルギー・ハーベスト」方式を開発、導入している。
◇大阪府知事賞
◆介護施設用見守り支援システム「mircon(ミルコン)」 きんでん
 きんでんの介護施設用見守り支援システム「mircon(ミルコン)」は、ベッドに接地した「安心センサ」で高齢者の状態を確認でき、より安心・安全な介護サービスとスタッフの負担軽減を実現できる。
 センサーはベッド上の人の呼吸や脈拍、寝返りや離床といった状態を常時監視。ナースコールやウェブカメラと連動させることで、ベッドからの転落などの異常に迅速な対応が可能になる。加えて電子カルテなどのシステムも包括するネットワークを構築すれば、管理業務の負担もさらに軽減できる。
 高齢化社会に不可欠なスマート医療のサポートとして、同社の計装技術・情報通信技術・監視技術を融合し開発した。施設内での利用にとどまらず、将来的にはスマートタウン・スマートシティーの地域高齢者対策や、より広域の医療対策にも寄与できるとしている。
◇大阪市長賞
◆太陽光発電変電設備パッケージ ダイヘン
 ダイヘンの「太陽光発電 変電設備パッケージ」は、太陽光発電用のパワーコンディショナー、昇圧用変圧器、系統連系盤などの変電設備をパッケージ化したもの。信頼性の向上やトータルコストの低減につながる。
 パワコンや昇圧用変圧器には、太陽光発電専用に最適化したものを開発・採用し、システム全体の効率を高めた。変圧器1台あたりで並列運転できるパワコンの数を増やし、変圧器の台数削減も実現している。非発電時に変圧器の一次側を開放することで、励磁損を抑制する機能も搭載した。
 また一体構造とすることで信頼性向上に加え、配線工事など現地据え付け作業の簡略化、現地試験の短縮といった効果があり、工期短縮、工事費削減に貢献する。こうして初期投資、ランニングコストとも改善することで投資回収期間を短くでき、発電事業者の参入を後押しできると見込んでいる。
◇日本電設工業協会会長賞
◆三菱省エネデータ収集サーバ ユニットEcoServer3 三菱電機
 三菱電機の「三菱省エネデータ収集サーバユニット EcoServer3」は、ビルや工場など大規模施設のエネルギー使用量情報を収集、分析、表示し、エネルギー管理を支援する製品。電気料金高騰に対応した節電に貢献する。
 配電盤付近に設置し、計測端末から電力量や電流、電圧などの情報を収集、パソコンで簡単に表示できる。また、各施設ごとにエネルギー原単位も見える化でき、製造ラインや設備、時間帯ごとに省エネすべき点がわかりやすくなる。
 加えて、データ収集の周期を1分間隔に短縮したり、電力消費量が既定値を超えると警報を出す機能を搭載するなど、性能向上を図った。データ収集方式は同社製の配電・制御機器と互換性のある「B/NET伝送」タイプと、オープンネットワークを活用できる「CC―Link通信」タイプを製品化している。
【日本電設工業協会4賞】
□らくらくコントロール賞

◆店舗向け無線デマンドコントロールシステム 河村電器産業
 河村電器産業の「無線デマンドコントロールシステム『D―Remo―Con』」は、店舗などに導入するデマンド制御装置の通信を無線にすることで、既設の建物にも工事費などの初期コストを抑えて設置できるようにした。
 原子力発電所の停止で電力不足が今後も続くと予想される状況では、無理なく節電できるようにすることが重要。自動で電力ピークカットを行うデマンド制御装置はそれに貢献できるが、既設建物への有線配線工事が必要なことなどから普及が進んでいるとはいえない。
 そこで同社は無線で確実に通信できるデマンドコントロールユニットを開発、導入の障壁を小さくした。これにより電力不足対策や配線工事の削減、省資源化などに貢献できるとしている。
□安心住まい賞
◆集合住宅システム「VIXUS(ヴィクサス)」 アイホン
 アイホンの「集合住宅システム『VIXUS(ヴィクサス)』」は、高度な機能を幅広い年齢層に「わかりやすく・使いやすく」利用してもらうことを主眼とした、集合住宅用のインターホンシステム。
 住宅情報盤にはタッチパネル式の7型ワイド液晶モニターを採用、操作するためのボタンを大きく表示することで直感的に操作できるよう工夫した。また、マンション独自の専用コンテンツを閲覧できるブラウザーや、管理室から各住戸へメッセージを送信できる「e―掲示板」機能なども搭載している。
 セキュリティー面では、防犯性の高い二重オートロックシステムに対応し、利便性にも配慮した「ワンタイムパスワード」機能を採用。一定時間入居者の動きを感知できない場合に自動通報し、高齢者の安否確認などに役立つ「みまもリズム」も導入した。
□再生可能エネルギー促進賞
◆「創エネ」&「蓄エネ」型エネルギーマネジメントシステム ニチコン
 ニチコンの「『創エネ』&『蓄エネ』型エネルギーマネジメントシステム」は、太陽光発電などの再生可能エネルギーの電力を蓄電デバイスにため、自立給電と電気自動車(EV)への急速充電を可能にした。
 エネルギーとしては太陽光発電、水力発電、燃料電池を採用、最適制御することでできるだけ系統電力を使用せず、安定した電力供給を行うことができる。蓄電デバイスにはリチウムイオン電池と電器二重層コンデンサー(EDLC)を併用し、再生可能エネルギーの激しい変動を吸収してリチウムイオン電池を長寿命化する。加えて、EVの車載充電器や急速充電器の開発で培ってきた技術を組み合わせ、発電から蓄電、EV急速充電までをオールインワンにまとめることに成功した。
□スマート確認賞
◆WHM結線確認試験器 関電工
 関電工の「WHM結線確認試験器」は、ワットアワーメーター(電力量計)の電気的接続が正常かどうかを簡単、確実に判定できる装置。共立電気計器と共同で開発した。併せて、電路が停止状態でも試験を可能とする結線確認用のマルチ電源装置も開発している。
 電力量計は使用電気料金の請求に利用されるなど、電力の売買取引上重要な役割を担う。そのため誤結線などによって精度を失うと、取引上の大きな損害を発生する可能性があり、正しく設置することが不可欠だ。
 最近では節電意識の高まりから、消費エネルギーを把握する目的で導入したり定期的に計器を後進する例が増えているほか、スマートメーターへの移行も見込まれる。そうした新設・取り換え工事後に、試験機を用いることで結線確認が容易になり、工事品質向上につながるとしている。
◇関西電気保安協会理事長賞
◆B―MAC(バイパスSW内蔵引出形電源切替開閉器) 新愛知電機製作所
 新愛知電機製作所の「B―MAC(バイパスSW内蔵引出形電源切替開閉器)」は、内蔵のバイパススイッチにより給電することで、無停電で開閉器本体の保守・点検作業を可能にしたもの。電源を切れない重要回路においても安心・安全な作業ができる。操作には機械的・電気的なインターロックを設け、誤操作を防ぐ。
 従来シリーズに比べ大幅に小型・軽量化、業界で初めてパネルに取り付け可能な構造とすることで、底板を取り付ける必要がなく、省スペースで設置できる。
 棚板を引き出すことでパネルに取り付けたまま開閉器を取り外し可能。棚板はその際は落下防止棚となり、本体取り外し後は充電部の保護カバーとなって感電事故を防止する。開閉器は挿入状態で固定できるようにし、耐震性にも配慮している。

EVからの給電システム、横須賀市、導入に補助金
日本経済新聞 7月5日 地方経済面(神奈川)

 神奈川県横須賀市は電気自動車(EV)から家庭に電力を供給できるシステムの導入補助金制度を始める。停電時や電力ピーク時にEVの電力を活用したり、太陽光発電装置を組み合わせて家庭電力の自給自足体制を構築したりするよう促す。国の補助金と合わせると、導入費用の約6割を補助金で賄える見通しだ。11日に受け付けを始める。
 日産自動車が6月に発売した電力供給システムを対象に補助する。このシステムは日産のEV「リーフ」のバッテリーから自宅の分電盤に電力を送ることができる。リーフ1台で一般家庭2日分の電力を賄えるとされる。リーフは横須賀市にある日産の工場で生産している。
 横須賀市は1システムに10万円を補助する。国は最大24万円の補助金制度を始めている。システムの導入費用は57万円(工事費込み)のため、国と市の補助金を活用すれば家庭の負担を大幅に軽減できる。
 市環境企画課で申請を受け付ける。2012年度は10件の申込枠を用意した。神奈川県によるとEVからの給電システムで補助金を出す自治体は全国でも珍しいという。

データセンターや工場、電力トラブル要因解析、大崎電気、電圧など精査、予測に道
日経産業新聞 7月5日

 大崎電気工業はデータセンター向けに電力トラブルの要因を解析するための計測システムを開発した。分電盤などに専用メーターを取り付けて電圧や電流、周波数の変化といった電力品質をきめ細かく計測、記録する仕組み。異常が発生した際には解析ソフトで発生時の状況を「見える化」できるため、原因究明や予兆の分析につながる。
 東京電力系のデータセンター運営会社、アット東京(東京・江東)の技術協力を得て開発した。
 データセンターで電気の配電に使う分電盤や電源などに専用メーターを設置。メーターが計測したデータを通信回線で専用のレコーダーに送信する。1台で16台分の測定データを収集できるため施設全体の電力品質を1度に把握できる。
 専用の解析ソフトも用意した。リアルタイムで波形グラフなどとして表示できるほか、異常発生を検出して状況を記録する機能なども持たせた。機器に影響を与える可能性のあるノイズなども解析。データを蓄積することで、異常発生の予兆も判定できるようになるとしている。
 大崎電気は電力会社向けの電子式メーターで培った計測技術を活用して新システムを開発。価格はオープンだが実売想定価格は専用メーター、レコーダーで各20万円を見込む。データセンターに加えて工場や病院にも売り込み、3年後に20億円の事業規模を見込む。当面は国内向けだが将来は海外での販売も目指す。
 日本のデータセンターでは電力使用量を監視するシステムは導入されてきたが、電圧の上下や周波数の変化など「電力品質」まで記録する仕組みは普及していなかった。
 米国では2003年の北米の大規模停電などを受けて、異常発生時の電力品質を把握するシステム構築が進んでいる。日本でも東日本大震災以降、電力品質を監視するシステムへの関心が高まっており、大崎電気では今後引き合いが増えると見ている。

●2012.07.02更新
(波聞風問)韓国企業 「賢く働く」新たな経営理念 安井孝之
朝日新聞 7月1日 朝刊

 波聞風問(はもんふうもん)
 韓国の自動車向け電池メーカーの社員が質問した。
 「業績を上げても上げなくても給料が同じだと、社員から不満は出ませんか」
 「給料が同じで不満を持つ人は当社を辞めるかもしれませんが、当社の社員は同じ方が幸せだと思っています」
 説明役の総務部員の答えに、11人の韓国人社員らは複雑な表情だった。
 岐阜県の電気設備メーカー、未来工業(名証2部)に毎年3千人も韓国から見学者が来ると聞いて、「なぜだろう」と見学風景をのぞいた。
 未来工業は劇団員だった山田昭男相談役らが1965年に設立した。給料は年功序列で成果主義はとらない。最近では定年を70歳にし、60歳以降も給料を減らさない。一日の労働時間は7時間15分で、残業は原則なし。年間休日数は140日。それでも創業以来、赤字はない。
 日本企業の特徴の一つ「ほーれんそう(報告、連絡、相談)」もない。社員がよいと判断すれば新しい仕事でも上司に相談せずにやってよい。自律的な働きを認めれば、人はよく働くという性善説経営だ。山田相談役は「私には何の相談もない」と笑う。
 猛烈社員が業績を争い、激しく競争するイメージが強い韓国企業。未来工業はそれと正反対だ。成果主義が普通になった日本の企業社会でも珍しい。韓国企業は何を学ぼうとしているのか。
 今回の研修メニューをつくった韓国のコンサルタント会社の林海星(リンヘイソン)社長は96年以降、日本企業430社を訪問し、韓国企業向けの研修プログラムをつくってきた。その内容は時代とともに変わった。
 90年代は、トヨタ生産方式に代表されるものづくり現場の改善手法が中心だった。21世紀に入り、どうすれば社員が創造性ある仕事をする組織に変えられるか、という研修が新たに加わった。
 林社長は「ワーク・スマート(賢く働く)という視点が生まれた」と指摘する。
 韓国の激しい競争は社会のひずみを生み、労働者の意欲をそいだ面もある。中国などの追い上げも厳しい。サムスンなど韓国のグローバル企業に、新たな経営理念が必要だという認識が広まったのだという。未来工業にはサムスンの幹部社員も訪れている。
 林社長は言う。「未来工業のように経営するのは多くの企業では難しい。でも、そこで学んだことは今後の韓国企業の経営に役立つはず」
 韓国人の倍ほどの日本人が未来工業を見学する。だが、大半は「こんな経営はうちでは無理」と帰って行くという。山田相談役は「日本の大企業はほとんどこない。それに比べ韓国企業は熱心で貪欲(どんよく)だ」と話す。いい会社をつくろうと次を目指す韓国の今を感じさせる。
 (やすいたかゆき 編集委員)

知りたい!:走る電源、進化するEV 三菱自・日産開発、ためた電力を家庭に供給 住宅で実証実験、停電しても1週間自給
毎日新聞 6月28日 夕刊

 走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロエミッションカー」を売り物にユーザーを広げてきた電気自動車(EV)。最近は、搭載した蓄電池にためた電気を家電の電源にできる装置が開発され、夜間電力の有効活用による節電効果や、災害時の非常用電源として注目される。「進化するEV」の現状を探った。【岡田悟】
 「EVは走るだけではありません」。三菱自動車は同社のEV「i―MiEV(アイ・ミーブ)」に搭載したリチウムイオン電池にためた電力を、炊飯器やテレビなどの電源として使う給電装置「MiEV power BOX(ミーブパワーボックス)」の販売を4月に開始した。一時的な停電時や近場でのキャンプなどに使われることを想定したもので、本体の重さ9・5キロとコンパクトサイズ。停電時なら1500ワット分の家電製品を5〜6時間利用できる。
 アイ・ミーブ本体価格180万〜280万円(国の補助金などを加味した実勢)に加え、給電装置15万円のコストがかかるが、東日本大震災後の計画停電や電力不足を受けて、消費者の関心は高い。パワーボックスを購入契約した川崎市の鈴木和彦さん(60)は「夏の節電に役立ちそうで、入手が待ち遠しい」と話す。
 ライバルの日産自動車も負けていない。看板EV「リーフ」が一般家庭の電力消費量2日分に相当する電気をためられる蓄電池を搭載する強みを生かし、家庭用の分電盤を通じて照明やエアコンなど住宅全体に給電できるシステムを開発。今月から注文を受け付け、7月から設置を始める。
 日産では、非常時の電源としてだけでなく、夜間にリーフの蓄電池に電力を蓄え、日中に利用すれば夏場の電力ピークカットにも役立つとアピール。夜間が安い料金プランなら電気代の節約にもつながる。リーフの本体価格は298万〜328万円(同)。給電システムもより本格的な分、工事費を含め約33万円と三菱自のミーブパワーボックスより高いが、「反響は予想以上」(日産広報部)という。
 利用はさらに拡大しつつある。三菱電機が5月中旬から神奈川県鎌倉市で実証実験を始めた次世代省エネ住宅「スマートハウス」。ここでもアイ・ミーブやリーフが使われている。太陽光発電で集めた電気をEVの蓄電池にため、効率的に配電して、大災害時のインフラ復旧の目安とされる1週間、電気を自給できるようにする。三菱電機は「EVはバッテリーの容量が大きいうえ、普段は車として利用できることも考えれば、費用対効果も優れている」と話す。
 今では大手家電量販店の店頭でも買えるEV。三菱自と提携し東京、神奈川、埼玉の3都県の店舗でアイ・ミーブを販売するヤマダ電機は、今後、大手住宅メーカーと共同でEVから住宅への給電システムを備えたエコ住宅を売り出す計画だ。ヤマダの金子哲治EV管理部課長は「EVは“タイヤの付いた蓄電池”。将来、一家に一台の時代が来るかもしれない」と期待する。

人事 テンパール工業(25日)
中国新聞 6月26日 朝刊

 常務(取締役)企画総務部長中川信雄▽営業本部副本部長兼電材営業部長(東京支店長)取締役望月俊行▽東京支店長(東京支店副支店長)佐久間由峰
退任 常務吉田基昭(顧問へ)


住宅盤専門委員会topへ