Home Panel住宅用分電盤

住宅用分電盤とは

住宅用分電盤には主に二つの役割があります。
ひとつは、電力会社から送られてきた電気を複数の回路に分け、安全に住宅内のコンセント,照明器具等のさまざまな電気機器に分配する役割です。
もうひとつは、家庭内で使われている電気を常に監視し、使い過ぎや漏電等の異常が発生した際には、自動的にブレーカが遮断し住宅の安全を守る役割です。
通常の住宅用分電盤の内部には、サービスブレーカ(電流制限器・アンペアリミッタ),主幹ブレーカ(メインブレーカ),分岐ブレーカなどが組み込まれており、住宅内の電気の見張り番をしています。

各部の名称

  • サービスブレーカ(電流制限器・アンペアリミッタ)で
    契約している場合

  • スマートメーターで契約している場合
    (サービスブレーカがない)

言葉の意味

サービスブレーカ(電流制限器・アンペアリミッタ)
分電盤の一番左についているブレーカで、契約以上の電気を使用した場合に切れるブレーカをサービスブレーカと言います。
(ご契約の電力会社や取り付けられている電力量計により、無い場合があります)
主幹ブレーカ (メインブレーカ)
分電盤の最初に付けられているブレーカのことを、主幹ブレーカと言います。
(サービスブレーカが付いている分電盤の場合は、中央にある漏電ブレーカを指します)
分岐ブレーカ (安全ブレーカ・配線用遮断器)
各部屋へ電気を送る分岐回路に取り付けられたブレーカを分岐ブレーカといいます。
電気を使用し過ぎた場合や電気製品の故障や配線がショートした場合に電気を切ります。
漏電ブレーカ (漏電遮断器)
配線や電気製品の漏電を素早く感知し、電気を切るブレーカを漏電ブレーカといいます。
感震ブレーカ
地震が発生して、大きな揺れ(震度5 強相当)を感知した場合に、音や光などで警報を発して、主幹ブレーカを作動させ、電気を切るブレーカを感震ブレーカと言います。
過電流警報装置
電気の使用量が予め設定した値を超えた場合に、音や光などで警報を発して知らせる装置を過電流警報装置といいます。
SPD(避雷器、アレスタ)
宅内が雷サージによる一時的な過電圧を受けた場合に、電気機器の故障を防止する装置をSPD と言います。
スマートメーター
通信機能や遮断機能を持った電力量計を言います。電気使用量の通信や、契約以上の電気が流れると切れる仕組みになっています。
(スマートメーターの遮断機能は、作動した後、しばらくすると自動的に通電を開始します)

認定制度

(一社)日本配線システム工業会が認定する住宅用分電盤
快適な暮らしに、なくてはならない電気。

電気の見張り番ともいえる住宅用分電盤には、当然のことながら高い安全性と信頼性が要求されます。
(一社)日本配線システム工業会住宅盤専門委員会は昭和48年に発足以来、漏電遮断器付き住宅用分電盤の普及促進をはかるととともに、昭和50年、品質維持向上のために、工業会規格JWDS0007を制定、認定業務を通して、快適で安全な暮らしに役立つ製品づくりを推進しています。

また、更なる電気の安全・安心を追求した製品として
「過電流警報装置付住宅用分電盤」
「感震機能付住宅用分電盤」
「避雷機能付住宅用分電盤」
の規格JWDS0007 付1、2、3を平成15、17年に制定し、高機能認定業務を通して、この3つの高機能住宅用分電盤の普及を促進しています。

この規格に適合した製品には、住宅用分電盤を製造するメーカーによって、当工業会が発行する認証マーク(HPマーク)が貼付されています。

工業会規格 JWDS0007(※)に基づく認定業務(※付1、2、3 含む)

工業会規格JWDS0007に基づいて、住宅盤専門委員会は、外部委員も交えた認定審査委員会を設置して各メーカーから提出された製品の認定業務を行います。製品は、書類審査後、(一財)電気安全環境研究所に委託され、構造、性能、表示の三つの分野について、規格で定められたテストを受けます。
要件を満たさない製品は、改善→再提出が求められます。

HPマーク、安全と信頼のサイン

この厳しい試験に合格した製品は、工業会規格適合品として認定され、HPマークの交付を受けます。「安全性はもとより、施工の容易 さ、確実性、操作性など、きめ細かな配慮がなされていなくては、ホームパネルとは呼べない」そう考えております。

スタンダード住宅用分電盤

「コード短絡保護用瞬時遮断機能」「高遮断機能」を有した住宅用分電盤です

コード短絡保護機能[コード短絡保護機能](JWDS0007)*

電源コードが家具などにはさまれたり、折り曲げられたりして劣化すると、被覆がむけて短絡(ショート)することがあります。
このような状態になると、極めて高い熱が短絡箇所から発生し、電気火災を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。コード短絡保護用瞬時遮断機能が付いた住宅用分電盤なら、コード短絡時の短絡電流 を検知して瞬時に電路を遮断するので安心です。

「内線規程」における関連事項
内線規程では、電気製品のコード短絡による火災発生を抑えるため、コンセント回路には「コード短絡保護機能付ブレーカ」を使用することが「勧告事項」となっています。
3605-4 分岐回路の開閉器及び漏電遮断器の取付け
(中略)
5.「分岐回路用過電流遮断器の種類」
住宅の分岐回路用過電流遮断器は、次によること。(勧告)
(中略)
②コンセントを有する回路(据置型の大型電気機械器具等への専用回路のものを除く。)に施設する前号の配線用遮断器にはJIS C 8211(2020)/追補1(2021)「住宅及び類似設備用配線用遮断器」に適合 するコード短絡保護機能を有するものを使用すること。

(内線規程JEAC 8001-2022より引用)

コードの短絡が火災につながるワケ
電気が決められた道順(回路)を通らずに、裸の銅線と銅線が接触した部分を近道して流れることを短絡(ショート)といいます。コードが短絡すると、電気回路の抵抗がほとんどゼロとなるため、非 常に大きな電流が流れます。この状態が続くと、火花が出たりコードが燃えたりして火災の原因となるため、極めて危険です。

高遮断機能(JWDS0007)*

電線が短絡すると、極めて大きな電流が流れる恐れがあります。高遮断機能付住宅用分電盤なら、そんなときでも余裕をもって対応できるよう定格遮断電流が高く設定され、短絡時の保護範囲が拡大されているので安心です。

高遮断機能の定格
主開閉器 分岐開閉器
定格電流 定格遮断電流 定格遮断電流
30A以下 2,500A 2,500A
30Aを超え100A以下 5,000A
100Aを超え150A以下 10,000A

スクロールできます

*一般社団法人日本配線システム工業会の規格番号を表します。
JWDS0007…住宅用分電盤/ JWDS0007-付1…過電流警報装置付住宅用分電盤/ JWDS0007-付2…感震機能付住宅用分電盤/ JWDS0007-付3…避雷機能付住宅用分電盤

高機能住宅用分電盤

スタンダード住宅用分電盤の性能に加え、「過電流警報」「感震」「避雷」の高度な機能を有した住宅用分電盤です。

過電流警報装置(JWDS0007-付1)*

電気の使用状態を表示するだけでなく、電気を使いすぎている場合は音声で知らせるので、突然ブレーカが落ちたりすることはなくなります。省エネにも役立ちます。

感震機能(JWDS0007-付2)*

地震が起きると、電気機器の転倒や、配線の断線により火災が生じる恐れがあります。感震機能付き住宅用分電盤は、震度5以上の地震が発生したとき、ランプ、ブザー、または音声などで警報を発し、電気を安全に遮断します。

感震ブレーカ等の性能評価ガイドライン対応製品

「内線規程」では、感震遮断機能付住宅用分電盤を施設することが「勧告事項」または「推奨事項」となっています。
1365-10 感震遮断機能付住宅用分電盤

1.〔「地震時等の電気火災の発生・延焼等の危険解消に取り組むべき地域」及び都市計画に基づく「防火地域」・「準防火地域」の住宅などへの施設〕
次の各号のいずれかに該当する場合は、感震遮断機能付住宅用分電盤を施設すること。(勧告)
①「地震時等の電気火災の発生・延焼等の危険解消に取り組むべき地域」の全ての住宅など(地方自治体が普及対象の建物種別を限定している場合は、その建物種別のみ。)
②都市計画法に基ずく「防火地域」・「準防火地域」の木造及び鉄骨造の住宅など(共に耐火建築物は除く。)

2.〔1項以外の全国の住宅などへの施設〕
1項以外の全国の住宅などには、感震遮断機能付住宅用分電盤を施設すること。(推奨)

(内線規程JEAC 8001-2022より引用)

感震機能のはたらき

避雷機能(JWDS0007-付3)*

雷によって雷サージ(電気系統などに異常に高い電圧が瞬間的に生じる現象)が発生すると、パソコンや家電製品などが損傷することがあります。避雷機能付住宅用分電盤は、雷サージをカットして、電気製品を守ります。

避雷機能のしくみ
年間雷雨日数分布
内線規程で「JWDS0007-付3*」が紹介されています

*一般社団法人日本配線システム工業会の規格番号を表します。
JWDS0007…住宅用分電盤/ JWDS0007-付1…過電流警報装置付住宅用分電盤/ JWDS0007-付2…感震機能付住宅用分電盤/ JWDS0007-付3…避雷機能付住宅用分電盤

いろいろな機能の住宅用分電盤

さらに便利。さらに安心。快適な暮らしを広げる、機能付分電盤

住宅用分電盤は、機能の異なるさまざまな機種が登場しています。
ご家庭の電気の使用状況や暮らしのスタイルに応じて、最適のものをお選びください。

  • 太陽光発電システム対応
    太陽電池と商用電源をより安全に併用できます。太陽光発電システムを導入する住宅に最適です。
    太陽光発電システム対応会員別ブレーカ品番一覧
  • オール電化住宅対応
    給湯、厨房、暖冷房など、すべての熱源を電気でまかなうオール電化住宅に適した分電盤です。電気温水器用ブレーカや入線用端子台が一つの盤内に内蔵されています。
  • EV・PHV 普通充電対応
    電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド自動車(PHV)の普通充電設備に対応した、充電回路用ブレーカ(漏電遮断器)を内蔵した分電盤です。
  • ガス発電 / 燃料発電対応
    ガス発電や燃料電池用に専用の遮断器が組み込まれた分電盤です。
  • 電力測定対応
    「現在」「今月積算」「過去」の使用電力量などがチェック可能。省エネ意識を高めてくれる分電盤です。
  • ピークカット機能付き
    電気の使いすぎを音声、警報音などでお知らせし、一定時間経過後に、事前に設定した機器から順に電源をOFFにしていきます。これにより、突然の全停電を防ぎます。
  • 切替機能付き(自動)
    商用電源が停電すると蓄電池などに自動で切り替えます。これにより、停電時も電気を使用することが可能です。
  • 切替機能付き(手動)
    通常は蓄電池などからの電気を使用し、メンテナンス時は商用電源へ切り替えることが可能です。

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住宅盤専門委員会は住宅用分電盤の働き、機能を評価して電気を安心してお使いいただくために「サービス」と「安心」を提供いたします。お困りごとがございましたらお問い合わせくださいませ。

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